[No Border Friends] トピック

2011年02月02日
23:43

ウミガメのスープ【2杯目】 ~Last Link~

  • 「わかっているな、お前の役目を」
    「...はい」

    ノーの返事などできるはずもない。それをわかった上で確認してやがるな、このくそオヤジ。

    「私、エイミー・フォーデルハイトは明日を持ちましてエイミー・エルハーベンとして生きていきます」
    「ふむ、そして?」

    どうしても私の口から言質を取りたいのか。顔もタヌキなら性根もタヌキだなあ。

    「―――エイミー・エルハーベンとして、彼の家に骨を埋めてまいります」
    「よろしい、下がりなさい」

    一礼をして部屋を出る。
    月光が屋敷の通路を青白く、静かに照らす。
    視界の端に映った銀髪が月明かりで気高く輝くように見えて、少しだけ気分が良くなる。

    『この髪の色まで、同じでなくてよかった。』
    陽の光を浴びれば暖かく輝き、月の光を浴びれば冷たく輝く。母から譲り受けた宝。
    母には感謝している、私を産み、育て、愛してくれたことを。
    だが、この世界は嫌いだ。人も嫌いだ。心が大嫌いだ。
    私は、母のために、母がいるから生き続ける。
    こんな矮小な身で、少しでも母に礼が出来るなら。
    この身も、心も、いくら穢れようとと構いはしない。
    あ、でもこの髪だけは汚したくないな。母さんに叱られそうだし。

    「・・・母さん、お元気で」

    会えないから独り言で別れを告げる、どうせ後で手紙を出せばいい。
    それにしてもバカバカしい。
    私の心など、こんなにまで醜いのに。
    こんな私を月だ白ユリだと褒め称え、欲する人間がどれほど多いことか。
    そんなやつらに媚びを売ることはまっぴらだ、でも安い使命ではある。
    母さんには少しでも長く、幸せに生きて欲しい。その母の歩む人生のどこかに私がいるのならば。

    ―――こんな醜い世界でも、私は胸を張って美しくあり続けてやる




    ――とある時、屋敷の一室にて
    目を開く、朝日を通り越して昼前の日差しがまぶしい。
    鏡を見ると日差しを浴びて金に輝く銀髪が見えた。
    そして、唐突に部屋の扉が勢いよく開き、一人の若者が入ってくるなり通達した。

    「さぁ、仕事は山盛りでございます。お疲れになったら肩、胸、腰、尻、もも、どこでもマッサージ致しますよ!」
    「うん、エリック。お前は二人きりになると本当に最低な男になるな」
    「何をおっしゃいます。銀の髪の乙女、ヴァルキリーの化身殿」

    私程度が戦乙女とは大それたもんだ。
    でも、そう呼ばれてる内はまぁ悪い気分はしないな。

    「ふん、そのような呼称などどうでもいい。行くぞエリック、手始めにこの領に住む人を一人残らず昼寝を楽しめる程度にゆとりを持たせる!」
    「では、手始めに私がその昼寝領民第一号にな――ぶへぁ」
    「喜べ、ヴァルキリーの化身からの鉄拳褒美だ」
    「自分で言ってて恥ずかしくないですか?エイミー様」
    「――うっさい!当然恥ずかしいわ!」



    ――この、銀の髪の乙女、ヴァルキリーの化身と呼ばれる少女。
    彼女はなぜこのように人民に尽くそうとしているのでしょうか?



    ▼▼伏せルール『センテンスファイア』▼▼▼▼▼▼▼▼
    開放条件:質問が各センテンスのどこか1部分にでもヒットする。

    ■センテンス1:波乱起こす伝説

    銀髪の伝承にふさわしい品格と才覚を備えたエイミー・エルハーベン
    その噂は領内のみに留まらず、たちまち近隣諸国に知れ渡った。
    戦乱の世においては女性とは思えない獅子奮迅の働きをし、
    芸術の世においては何枚の絵画が描かれたかわからぬほどの美をふりまいた
    天からの贈り物と呼ばれるその伝説的なまでの銀髪の存在。
    しかし、平和な世においてそれは大きすぎる存在だった。
    『銀髪、それはエルハーベン領においては聖女、戦乙女として崇められる。
     しかし、近隣諸国ではその反対の見解をされてしまっていた。
     白銀の髪、そして日が落ちると緋色の眼を光らせるとされる。
     それはまるで寓話の中の悪魔や魔女のようですらあった。』

    ■センテンス2:不透明な銀髪の訃報
     エイミングポイント:『訃報の真偽性』

    冬のとある日、領主エイミー・エルハーベンが乱心。
    夫、エリック・エルハーベンの寝所にて、
    小刀を手に襲い掛かったとの噂が立った。
    エリックは抵抗、小刀を奪い取ろうとしたが、
    勢い余り胸部に突き刺してしまったとのこと。
    世間的には公表はされず、
    エイミーはエルハーベン家の地下埋葬地へと葬られたらしい。
    まるで秘匿するかのようなその行いには大小様々な疑問が残る。
    事実関係は謎だが、エイミーが外に顔を出すことはその噂以来なくなった。
    信憑性はともかく、何かがあったことは間違いないとのことである。
    『しかし、この事件は完全なるでっちあげだった。
     深夜、事前に打ち合わせた通りの手順で二人は争う"フリ"をした。
     これを見ている"誰か"に向けて、少しでも時間を稼ぐために』

    ■センテンス3:紛争の糸を引く影
    エイミングポイント『第三者の黒幕』

    エルハーベン領にて内紛が勃発。
    蜂起した領民達、向かうのはフォーデルハイト家。
    エイミー・エルハーベン暗殺がフォーデルハイト家の仕業である、
    という知らせが広がったためである。
    英雄であり、象徴でもある銀髪のエイミーを殺した罪は禁忌中の禁忌。
    しかし、暗殺の報が出てからすでに十余年。明らかにおかしい発覚だった。
    何ものかの扇動があることを事前に察知していた両家は
    銀髪を完全に失う危険性を避けるため、
    銀髪の少女をエルハーベン家へとひそかに移動させていた。
    名目上は政略結婚。しかし、それすらも一切情報を漏れ出さないようにした。
    『これらは全て近隣諸国が仕掛けた裏工作だった。
     エルハーベン領において銀髪は大きすぎる存在であり、
     それがいるだけで周辺の人々に様々な影響を与える。
     近隣諸国は恐れたのである。エルハーベン領が、銀髪の力により
     自分達にかみつくだけの牙を身につけることを』

    ※ルール説明・追加された伏せルールへのリンク
    topic_919
    ※参加者の相談部屋へのリンク
    topic_1219
    ※解答
    topic_1404

書き込み

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2011年
01月29日
01:24

まぁ時間が時間ですしおすし

Q:暴動後、銀髪の伝承は変質しましたか。
A:いいえ、伝承そのものは特に変質はしませんでした

2011年
01月29日
01:26

562: hime

勢いに任せて過去にしただろう質問をほじくりかえす。

Q:「――この、銀の髪の乙女、ヴァルキリーの化身と呼ばれる少女。
  彼女はなぜこのように人民に尽くそうとしているのでしょうか?」

この問題でのヴァルキリーの化身とは複数人を指していますか。

2011年
01月29日
01:28

いやいや、こんなのきてない。てか妖精さんの足がかりぱねぇ

Q:「――この、銀の髪の乙女、ヴァルキリーの化身と呼ばれる少女。
  彼女はなぜこのように人民に尽くそうとしているのでしょうか?」
  この問題でのヴァルキリーの化身とは複数人を指していますか。
A:はい、そのとおりです

2011年
01月29日
01:36

564: hime

片羽さん毎回MVPもっていっちゃう!
今日はこの質問で終わっておこう。

Q:人民に尽くそうという理由は、ヴァルキリーの化身と呼ばれる理由と関係がありますか。

2011年
01月29日
01:41

うん、文句なしにMVPです。ただし、現状では、ですが

Q:人民に尽くそうという理由は、ヴァルキリーの化身と呼ばれる理由と関係がありますか。
A:はい、その二つは大きく関係があります

2011年
01月29日
11:12

566: hime

おはようございました。
色々読み返したけどどうもすっきりしない。

Q:「銀髪」は行った行為に対して与えられる勲章のようなものですか。

2011年
01月29日
11:15

銀髪はまぁ呼称ですよ

Q:「銀髪」は行った行為に対して与えられる勲章のようなものですか。
A:いいえ、勲章のようなものではありません

2011年
01月29日
11:32

568: hime

どうも乱射体制に入ってしまう。

Q:「銀髪」の存在を元にエルハーベン領民が近隣諸国へ直接、もしくは間接的に攻撃を仕掛けた事はありますか。

2011年
01月29日
11:45

のんのん

Q:「銀髪」の存在を元にエルハーベン領民が近隣諸国へ直接、もしくは間接的に攻撃を仕掛けた事はありますか。
A:いいえ、そのようなことはありませんでした

2011年
01月29日
11:52

570: hime

これから狩りだからまた速度が落ちる予感。
とりあえず一つの屋敷にある本にみんなが書いてるって事だし。

Q:銀髪は皆領主、もしくはそれに類する家系に属しますか。

2011年
01月29日
11:56

おっと、いい着眼点

Q:銀髪は皆領主、もしくはそれに類する家系に属しますか。
A:はい、そのとおりです

2011年
01月29日
12:41

572: GALM2

何回も人民に尽くす…そして、タイトルのlink…
Q.この物語の世界は、同じ歴史が何度も繰り返されていましたか。

2011年
01月29日
12:52

SF要素はないよ!?

Q.この物語の世界は、同じ歴史が何度も繰り返されていましたか。
A.いいえ、似たような出来事などはあったかもしれませんが同じ歴史が繰り返されるなどはありませんでした

2011年
01月29日
13:22

574: GALM2

(;・∀・)ちょっと質問の表現が変だった…。
(メ゚Д゚)だが、目的の回答は得られたのでよしだ。

午後の授業前に、世界について確認がてら空砲を一発
Q.エルハーベン領を除く近隣諸国同士の国交は友好的でしたか?

2011年
01月29日
13:24

うんうん

Q.エルハーベン領を除く近隣諸国同士の国交は友好的でしたか
A.はい、近隣諸国同士の国交は基本的には良好でした

2011年
01月29日
20:17

576: GALM2

(L。■_■)図を書いてみると、どうも気になるな・・・囲まれているんだろ・・・。

Q.近隣諸国は、"全ての国"が互いに友好的でしたか?

2011年
01月29日
20:21

ほう・・・

Q.近隣諸国は、"全ての国"が互いに友好的でしたか
A.いいえ、深い意味では友好的、とは言い切れませんでした

2011年
01月29日
20:22

578: hime

じゃあ違う方向からつついていこう。

Q:エイミー・エルハーベンという名は、領主の女性が名乗る名ですか。

2011年
01月29日
20:25

お・・・?

Q:エイミー・エルハーベンという名は、領主の女性が名乗る名ですか。
A:はい、結果的にエイミー・エルハーベンという名前は領主の女性が名乗る名前になりました

2011年
01月29日
20:27

580: hime

結果的にっていうのが気になる。

Q:その結果的にというのは、一連の事件が終わった後の話ですか。

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