変わり身の術
サーロイン「こんばんは~」
こんばんは~。なんか、久々に普通に始まった気がするねぇ
サーロイン「そうですか?」
うん。ゆったりまったりスタートは久々だよ~。あんたが初っ端からトバしてること多かったから~
サーロイン「そうですか……はぁ……」
どったの?ため息なんてついて
サーロイン「いえ、何でもないです」
………なんか不気味ねぇ。いつものテンションはどこいったの?それともなんか企んでる?
サーロイン「別に企んでたりはしないですよ……ただ、そうですねぇ。始まる前にお話しておくべきでしたかねぇ」
ん?なになに?
サーロイン「実はですね。いつもこちらでお世話になっているサーロインは検査のため、外出中でして…」
あれ?じゃぁ、あんた……(コホン あなたは違う人…肉なの?
サーロイン(代理)「ええ。そうなんですよ。兄に押し付けられまして」
弟さん?!あいつに親族なんていたの?!
サーロイン(代理)「実はいまして……われわれとしましても、名乗り出るのははばかられるのですが……」
ああ…気持ちはわかる気がする
サーロイン(代理)「ですので、今日のところはモザイクか目線を入れて頂けるとありがたいのですが」
もう遅いよ!っていうか、目線つけようにも目の部分がどこかわかんないし!あと、全体的にモザイク処理しちゃったら、私、何と会話してるかわかんないから不気味だし!
サーロイン(代理)「はぁ…そうですか。そうですよね。では、その方向はあきらめます」
まぁ、そう気を落とさないで。それはそうと、検査って何の検査?
サーロイン(代理)「食品衛生法における賞味期限の吟味とかその他色々難しい検査らしいですよ?」
賞味期限って…もう、腐ってるじゃないの?アレ
サーロイン(代理)「むしろ、食肉偽装の疑いが強いですよね~」
うわ。弟さんの目の前だったから、あえて言わなかったのに
サーロイン(代理)「ああ、気にしないで下さい。アレは一族の恥ですから」
なんかだんだん、アレがかわいそうになってきたような……まぁでも、今までのこと考えると、そうでもないかw
サーロイン(代理)「そうですよ。むしろ、アレの相手をしてくださってありがとうございます。一族を代表してお礼を申し上げます」
いあいあ、そんな改まって言われるほどじゃないから
サーロイン「いつもお世話になっているお礼にこちらの手土産をどうぞ!」
そんな…。気を遣わないでよ~
サーロイン「あなたになら、きっと似合うと思って用意したものですので、是非にも」
ん~。そこまで言われちゃうと…じゃあ、ここであけてもいい?
サーロイン「どうぞどうぞ」
(パカ)ん?んんんんんんん?
サーロイン「どうです?気に入って頂けましたか?」
ナニコレ?
サーロイン「コレで必勝!殿方を虜にする寝具一式!ですがナニカ?」
サーロイン(代理)「むぐぅ。ん~ん~」
………そっか。戻ってきてたんだ♪
サーロイン「ちょ。おま。見つかるの早いって!もうちょっと部屋の隅っこでおとなしくしてなさい!空気読んでよ!空気!」
いつ、どうやって入れ替わったのかはともかくとして………
サーロイン「ともかくとして?(タラリ」
空気読むのはお前のほうだぁああああああああ!
サーロイン「あ~れ~」