再び訪れたその場所はやはり美しかった。
しかしすぐに目の前の異変・・・
実体を持つ自分以外の人物に気づくのだった。
誰だ、お前は。
低い声で問いただすと
(僕の勝手な脳内イメージ)、あっさりと彼奴が姿を曝す。
ちゅどーんっ
お前か。
何かそんなのもいたな…
(既に記憶の彼方)。
どうやら世界樹の力と、ついでにレネ…じゃなくて、ヴェルデガルド様の身体を狙ってるみたい。
なにそれ、へんたいっぽい!
・・・そんな事絶対にさせるかっ!
と、食ってかかるつもりだったのだけれど
(やはり脳内イメージ)。
ほへ…?
拍子抜けしてる間になんかやられちゃってるハスターさん。
・・・すごい。
次々現れる街の人の魂の幻影。
決して街の人の個々の力に驚いてるんじゃない。
街を実質壊滅に追いやっても尚、ここまで信頼されて愛されてるヴェルデガルド様が、すごい。
街の皆の力を結集させて。
倒すことは叶わなかったけれど、器も力もないハスターを追い払うには十分だった。
今はそれでいい。
ずっと守ってきた世界樹と女王さまを奪われずに済んだのだから。
…ここは大丈夫だ。
安堵した僕は、逃げていった奴を追うようにその場を後にするのだった。
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