三ヶ月後に、この世界は終わるらしい。
――煌めく星が全て降ってきてアクロニアを破壊し尽くす、とか。
――タイタニア界のくじらが全てを飲み込み消し去ってしまう、とか。
――或いは、何の前触れも無く誰もが居なくなる、とか。
色んな与太話がまことしやかに囁かれている。
誰も世界の終わりなんて経験したことないのに、あたかも体験してきたかのように。
ギルド元宮のお偉いさんは連日連夜緊急の会議を開いていて、
今まで散々戦争を続けてきたあのDEM族ですら、この時ばかりは力を貸すと申し出ている。
それほどまでに逼迫した事態なのだろう。表面上は普段と何も変わらないはずなのに。
アップタウンでは冒険者達が集って思い出話に華を咲かせていたり、
どうにかならないのかと悲痛な叫びを上げながらデモ行進をしたり、
今この時が商機とばかりに在庫放出セールと称してゴーレムに店番をさせたり。
それぞれが思い思いの最期を過ごそうとしている。
あなたは残り三ヶ月、どのようにして過ごすのだろうか。
一度剣を置いた友人と思い出を語らう?
何も変わらない、と、普段通り狩りに、騎士団演習に精を出す?
それとも――
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