我が主、冒険は如何でしたか?
よう、黒か。
冒険はやってないよ。
と言うか、俺はもう引退したのと同じだ。
引退・・・か・・・
そんな泣きそうな顔をするなよ。
引退と言っても、別にこの世界を去るわけじゃないぞ。
狩りに行くような事はしないだけだ。
な、泣いてないぞ?!
・・・でも。
良かった・・・
黒は菫のように俺を弟扱いしない。
主人として立ててくれるのがいいよなぁ・・・
でも白みたいに甘え上手ではない。
・・・・。
添い寝をして欲しいというのは、詮無い望みかな・・・
だが時々こんな大胆な事も言う。
勿論、俺が断るはずがない。
腕枕をしてやると普段はクールなくせに、子猫のように安心して眠っている。
白とは別の意味で破壊力があるよな?
我が主、日向ぼっこしないか?
こんな風に誘ってくる事もある。
当然だが俺は断らない。
白ならベタベタ甘えてくるが、黒は少し離れて座るんだ。
そして武芸者が闘いで相手との間合いを詰めるが如く黒は近寄ってくる。
じれったいので一気に間合いを詰めて黒の肩を抱き寄せると、少し赤面して微笑んでくれる。
これがまた破壊力があるんだ、うん。
黒はいい・・・黒は・・・
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