前回の日記で冒頭を載せたお話が進みだしたので
載せていきます!
タイトル:『天空の花とアクロニアの蝶』
今日はその第1話です。
あ、もう一回言っておきますね♪
ECOの設定は無視です!
どんな風に進んでいくかは私もまだわかりません(マテ
エミルクロニクルオンライン~ i f ~
って感じで書いていきたいなーと。
それではお時間の許す限り、お付き合いくださいませ。
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第1話「 日 常 」
これは、一人のタイタニアのお姫様と
お姫様に全てを捧げた一人の少年の物語。
「姫様、これが姫様の従者となりますエミルと申します。」
「じゅう・・・しゃ?エミル?」
「はい。ほらエミル、姫様に挨拶せぬか。」
「・・・・・・こ、こんにちは。ひめさま。」
「こんにちは。私の名前はティタ。ティタでいいわ。よろしくね、エミル。」
「姫様っ、こやつは従者。そのようにお名前を呼ばせるなど・・・。」
「よいのです。エミルは私のお友達になってくれる人なのですよね?お友達にはちゃんと名前で呼んでほしいですもの。」
「し、しかし・・・むぅ。」
「ね?エミル?お友達になってくれますよね?」
「はい・・・。ティタ姫さま・・・。」
「ちがう~、ティ~タ。」
「はい・・・ティタさま。」
「はい♪」
これは、一人のタイアタニアの姫君と選ばれし一人の人間の恋物語。
「おーい、エミルー!」
ドミニオンの少年が、前方を歩く少年に声をかける。
「ん?べリアル、ウッス。」
エミルは振り返り、声をかけてきた少年と挨拶を交わす。ダウンタウンから稼働橋を抜け、アップタウンに入る。アップタウンの入り口すぐの石段に一人佇む少女が見えた。メリハリのあるスタイル、腰まで伸びた茶色の髪をポニーテールに結いあげ、少し勝気な雰囲気を見せる顔立ちはモデルとはいかなくも美少女と言って問題ない容姿であった。
「オッス、マーシャ。」
エミルの声にポニーテールの毛先がぴょこんと揺れて、名前を呼ばれた子犬のように嬉しそうに振り返る。
「あ、エミルッ!おっはよう♪」
「ケッ、今日も無駄に揺らしやがって。」
べリアルは口先を尖らせて、吐き捨てる。マーシャは、頬を紅く染めて、
「もう!べリアルのヘンタイっ!どこ見てるのよ!」
持っていたカバンをべリアルに向けてふり回す。ベリアルはソレを器用にかわし、
「ふん、見られたくなかったら、もう少し慎みある大きさにしろってんだ。」
ベリアルのセリフにマーシャは更に顔を紅く、両手で胸を隠すポーズで
「好きで大きくなったんじゃないもんっ!そんなこと言ってベリアルだって、いっつもルルイエの胸見てるくせにっ!鼻の下こーんなに伸ばしてさ!」
マーシャの思わぬ反撃にベリアルはしどろもどろになりながら
「ば、ばっかじゃねえの!だ、誰があんな気の強い我侭女見るかよっ!」
「ふーん、そんなこと言っちゃうんだ?ホントは好きなくせに♪」
「な、ちょ・・・オマ・・・」
今度はベリアルが顔を赤らめる。
「まぁまぁ、二人ともその辺にしておかないと遅刻するっての。」
エミルは二人の間に入るとベリアルとマーシャの肩をポンと叩く。ベリアルは頭をガシガシと掻きながら
「ったく、マーシャ、オメー今度もっと苛めてやるかんな?」
ベリアルの口撃に
「ふーんだ、セクハラばっかのベリアルこそ私に放課後アイス奢るべきでしょ!」
真っ赤な小さい舌をチロッと出してべーと負けずに口撃する。エミルはクククと笑いを堪えながら、
「フッ・・・ベリアルの負けだな。」
ポケットに手を入れ歩き出す。マーシャは軽くステップを踏みながらベリアルの方に振り返り
「やった~!私とエミルに奢れ~♪」
満足そうに笑みを浮かべてエミルの後を追う。ベリアルは頭に載せた手をそのままにもう一度ガシガシと掻いて
「へいへい。」
更にその後に続いた。3人は黒の聖堂に隣接するように停泊された飛空庭に登る。ここが学校、といってもその庭は校門代わりでそこから飛空城にある私立アミス学院で3人は研鑽を積んでいた。
午前の授業が終わり、3人は机を合わせて昼食の準備をする。ベリアルは購買でパンを買いに走って教室を出て行く。マーシャは小さなランチボックスと少し大きめのランチボックスを鞄から取り出す。
「エミル?お弁当の宅配でーす。」
「マーシャ、いっつもワリィな。」
エミルはマーシャが差し出したランチボックスを受け取る。マーシャは笑顔で
「いいよ。エミル一人暮らしなんだもん、これくらい幼馴染のよしみでしょ?それより、今日はエミルの好きなベーコン巻き作ったんだよ♪」
答えてくれる。エミルは目の前にいる幼馴染が本当にマーシャでよかったとしみじみ感じていた。
「マーシャ・・・あのさ・・・」
「え?」
エミルはマーシャに向き合い声を掛けたそのときだった
「わりー!購買混んでてよー。おかげでルルイエにまで捕まってよー。」
ベリアルが教室に飛び込んできた。その勢いと声に二人は気まずい表情をしながら互いの席に着いた。ベリアルはパンの入った紙袋を大事そうに抱え、
「ん?どしたんだオマエら。なんか顔が赤い・・・って、あぁん?なに?イイコトでもあったんか?」
ベリアルの何か思いついた顔で二人を覗きこむ。マーシャは俯いたまま黙ってしまい
「べ、別に何でもねぇよ。マーシャに弁当の礼言ってただけだよ。」
エミルは慌てて取り繕うが
「顔赤くして?お礼のチューでもしたったんか?」
ガタタッ!!
マーシャの椅子が盛大に鳴る。
「マジかっ!」
「ちげーよっ!」
間髪入れずエミルは否定する。そこへ
「なあに?またエミルとマーシャの夫婦漫才が始まったの?」
ベリアルの後ろからひょこんと顔を出す。
「痛って、おい、くっつくなよ。ルルイエ。」
ベリアルは肘でルルイエを牽制すると、
「そんな事言って、ヤン♪ベリアルってば私のおっぱい触りたいの?」
悪戯っぽく微笑んでベリアルをからかう。ベリアルは慌てて腕を引っ込め
「ば、バカ言ってんじゃねえよ!アホらし、飯にしよーぜ飯!ったくぅ・・・。」
バツ悪そうにふてくされた様子で椅子に座る。
「そ、そうよ。ルルイエもそんな意地悪言わないでさ、エミルも食べよ?」
「あ、あぁ、そうだな。食うか。腹減ったぜ。」
残った3人はそれぞれ椅子に座ってそれぞれお弁当を広げた。いつもの他愛のない会話で進む昼食が半ば進んだころだった、不意にルルイエが話題を変えた。
「そういえばさー、さっき廊下でセンセーらが話してるの聞いたんだけど、来週にさ転校生が来るんだって。」
そう言ってルルイエはベリアルのサンドイッチを一切れ摘む。
「あ、ルルイエてめぇ!俺が最後にとっておいたカツをおおお!」
「さっき私のおっぱい突いた対価よ♪」
フフンとルルイエは摘んだカツサンドを頬張る。
「もう、ルルイエったら・・・。それで?転校生ってどんな子なの?」
マーシャは興味深々と言った感じで聞き返す。エミルは食べ終わったランチボックスの蓋を閉めながら
「転校生ってそんな珍しいモンじゃないだろ?誰だって別にいーじゃん。」
ポツリと呟く。ルルイエは、残りのサンドを頬張り
「そりゃ、確かに転校生なんて珍しくもなんともないけどさ、時期がさぁ、何でこんな中途ハンパ時期なのかってのもあるんだけどさ。それよりも・・・。」
「それよりも?」
3人はルルイエの口元に視線を向ける。ルルイエは4人の中心へ顔を寄せると、マーシャとベリアルも同じように顔を寄せる。
「どうも、タイタニアの貴族らしいって噂なのよ。」
小声で告げた。
「貴族ぅぅ?」
ベリアルがルルイエの発した単語を復唱する。ルルイエはベリアルの頭を押さえて
「しーっ!声が大きいっ。」
「スマン。」
ベリアルを嗜める。
「・・・・・・。」
エミルは黙って3人の会話を聞いていた。全く興味がないって訳ではない。しかし、その興味という感情以上にエミルの中に起こった心のざわつきの方がエミルには引っかかっていた。そんなエミルの僅かなココロの変化にマーシャは気付いた。
「エミル?どうかした?」
マーシャの真っ直ぐな瞳にエミルは少しだけ視線を外し、
「いや?なんでもない。」
「そっか。」
再び会話に戻ったマーシャの姿を視界の隅に入れて、エミルは今起こった心のざわつきに何か理由をつけたくて、
「風が出てきたな・・・。」
マーシャの向こうに見える校庭の木を眺めて呟いた。
to be continue
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