ブリキン「で、司令官が死にかけたってどういうことなのかしら!?」
桃「ちょっ、ちょっとまって!その話は当事者がいた方がいいから!!」
~
胡桃「えと、どうしたの?桃おねえちゃん」
若菜「ん、呼ばれてきたの」
山吹「あ~、このメンツ懐かしいわぁ」
桃「うん、あのときはまだ皆いなかったもんね」
ブリキン「当事者は全員そろったのね?」
桃「うん、ご主人が倒れた時にいたのはこれで全員だよ」
山吹「やっぱあの時の話なんな」
桃「それじゃ始めるね」
~
桃「あれはまだご主人が駆け出し冒険者だったころ、ご主人が倒れたことがあったんだ」
胡桃「マールおばあちゃん、……あたしたちの前のご主人の悪い心がご主人を苦しめてたの」
若菜「……ご主人、もう少しで死んじゃうところだったの」
ブリキン「そんな!」
山吹「のクセして、胡桃と若菜に飛空庭とかやり残してること色々押し付けとったけどな~」
ブリキン「あ、……そうなの」
胡桃「でも、その中に藍おねえちゃんのこともあったの」
若菜「ん、藍おねえちゃんの前のご主人を直してって頼まれたの」
ブリキン「アイの前のご主人を『直す』?それって……」
桃「うん、藍ちゃんの前のご主人は壊れたエレキテルだったんだ」
胡桃「しかも只のエレキテルじゃないの」
若菜「ん、『オリジナル』っていう怖いのだったの」
ブリキン「エレキテル……オリジナル……。って、まさかあのオリジナル!?」
山吹「知っとったん?」
ブリキン「知ってるもなにもエレキテルは同族のようなものだもの」
桃「それで直したオリジナルを停めなきゃいけなかったんだけど……」
胡桃「裁縫のおばさんが先にご主人を助けなさいって」
若菜「だからご主人を先に助けたの」
山吹「んで、後は復活したご主人がオリジナルを停めておしまい、ちゅうわけや」
ブリキン「そう、それで司令官は詳しいことを知らなかったのね」
桃「うん。エレキテル直したらってアドバイス受けた直後に倒れたから……」
桃「その上、目を覚ましたら今度はエレキテルを停めろだもん。本当にわけがわからなかったと思うよ」
山吹「ちゅうか、わけわからんってキレとったしな」
~
ブリキン「それにしてもオリジナルがあのオリジナルだなんて思いもしなかったわ」
胡桃「藍おねえちゃんはブリキンさんを見てオリジナルのことを思い出したんだと思う」
若菜「ん、ブリキンとオリジナルってどこか似てるの」
桃「まぁエレキテルとブリキングだもんね。似てるのは当たり前というか」
ブリキン「でもおかしくない?貴方達って魂の力を貰わないと駄目だったんじゃ……」
桃「うん、そのはずなんだけどね。でもどうして藍ちゃんが大丈夫だったかは、よくわかんないんだ」
山吹「オリジナルやったからが理由とちゃうん?」
胡桃「……多分藍おねえちゃんのことが大切だったからだと思うの」
若菜「ん、思い出をくれた時とても優しそうだったの」
ブリキン「……思い出?」
桃「あ~、その話はその話で長くなるからまたの今度ってことで」
ブリキン「ふぅん、そう。大体のことはわかったわ。ありがとう」
ブリキン「……『ぬし様』か」
~つづく
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