文字テロなんて大層なものでもないのですがw
でも、お名前をお借りしているのでそーなるのかなーと。
2話くらいで終わると思います。頭に浮かんだものを書いてみます。
タイトルは決まってませんけどw
お時間が許されるようでしたら・・・よろしくです。
そしてライグさん、勝手に書いてごめんなさい!
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第1話 出会い?
この偶然は、私の生活を一変させるに十分だった。いや、この日のこの時間、このタイミングで起こったのは最早必然、いや運命だったのかもしれない。
モーグシティ郊外にある未完の塔『光の塔』その中層フロアで一人の少女がメイスを振りかざす。ガキィンと金属同士がぶつかり合う音と共に殴りつけた対象は見事に砕け散り、周囲に構成されてたであろう部品を撒き散らす。
「お、やりぃ♪コンデンサゲット。今日はなんか調子イイっすねぇ。この調子でロボアームもゲットしちゃいますかねぇ・・・。」
少女は撒き散らされた残骸の中からパパッと部品を拾うと背中のリュックに丁寧に仕舞う。少女の名前はヨミコ、駆け出しのマシナリーだ。駆け出しといってもつい先日転職に成功したばかりで駆け出しというよりこれから駈け出そうくらいのレベルだ。なぜそんな初心者が光の塔にいるのかというと
「やっぱ夢っすよねぇ・・・。鉱石(いし)屋の次のステップはマシナリーになって重機を使って・・・えへ、えへへ。」
ということらしい。言葉の後半が怪しい限りだが、この職業についている者はほぼ全てといっても過言ではない夢。この世界で2足歩行型ロボット重機を作成・操縦が許されているのはマシナリーだけだ。なのでロボはタタラベの憧れであり一人前と評価される基準でもあるのだ。
(ぐぅ~・・・。)
「あ・・・。」
ヨミコはポケットから懐中時計を取り出し時間を読む。
「あ、もう昼回ってた。そいじゃご飯にするっすかねぇ。」
ヨミコは立ち上がると、ワークパンツのホコリをパンパンと払いフロアの入り口へ向かって駆けた。階段に腰掛けリュックを下ろすと中からバンダナに包まれた弁当箱を取り出し膝の上に乗せる。同じように水筒も取り出し、コップに水を注ぐと両手を合わせて
「いただきます。」
おにぎりにかぶりつく。
「ん~、労働の後のおにぎりは最高っす♪具入って無いっすけど・・・いやいや、でもいいんス、今はこれでいいんス。うん、美味しい・・・ちゃんとご飯が食べれてるんスから。」
ヨミコは一つ目のおにぎりを飲み込むと、コップに入った水を一気に飲み干し、
「ぷっはぁ~。」
盛大に息を吐く。なんともおやじ臭い仕草だが、これでも17歳だということは彼女のためにもここでばらしておく。そして、二つ目のおにぎりに手を伸ばし、勢いよくかぶりつく。少し大きめのおにぎりを二つキレイに完食すると、米粒の付いた指をぺろりと舐め
「今日は調子いいし、もう少し上がってみよっかな・・・。行ったことないけど・・・大丈夫っすよね・・・。もしかしたらロボットアームのパーツ手に入るかもだし・・・。」
ヨミコは少し考える。ポケットから懐中時計を取り出し時間をチェックする。帰りの時間を考慮して
「もう1フロアだけ・・・すぅぅ・・・はぁぁぁ・・・よしっ。」
ヨミコは両手で自分の頬を叩くと、メイスを握り直して更に上のフロアへ進んだ。
「っ!はぁっ!・・・っとと、こんにゃろっ!」
メイスがヒットした4本足のロボットは火花を散らして沈み動きを止める。
「ふぅ。あはっ、これヤバくないです?今日ヤバいっすよ、てか、なんすか私、実は強いんです的な感じっすか♪」
上のフロアに上がったヨミコは、今までのフロアと同じように機械型モンスターを狩り順調にパーツになりそうな素材を集めていった。
「これなら・・・はぁはぁ、もう一つ上に行っても・・・はぁはぁ・・・大丈夫っはぁはぁ・・・スよね・・・今日の私はイケてる女ッスよ!」
真上にあった太陽が地平線にかなり傾いていることに気付かないヨミコは更に上のフロアへ向かった。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ!っくぅ~・・・なんでこんなに強いんすか!聞いてないっす!」
自信満々、意気揚々と上がったフロアは今までにヨミコが見たことの無いモンスターばかりで、同じ型の4足ロボもありえないくらいの強さだった。
「やばい・・・はぁはぁはぁ・・・やばいっす・・・はぁはぁ・・・これピンチっす・・・それに・・・なんでいつの間に夜になってんすか・・・はぁはぁ・・・ここは・・・ひとつ戦略的撤退というヤツで・・・。」
ヨミコは疲労と空腹でヨレヨレの身体を震える両脚で踏ん張り、
「階段はアソコ・・・はぁはぁ・・・トロットがいち・・・にぃ・・・なんとか・・・走って・・・あの間抜けて・・・行けるっしょ・・・行ける行ける・・・はぁはぁはぁ・・・すぅぅぅぅぅ。」
大きく息を吸って呼吸を整えると
「せぇの・・・ゴー!」
今日一番のダッシュで階段に向けて駈け出した。
「っ!」
しかし、普段以上に長居したおかげでリュックにはかなりのパーツが詰め込まれ重量が増していた。そして疲労。最初の数歩はいつものように踏み出せたが、すぐにそれが継続できないと理解する。
「ぅきゃっ・・・」
いつもなら難なく飛び越せるはずの機械の塊に躓き派手にこける。手にしていたメイスは大きな音をたてて転がり、その振動に反対向いていたトロットが一斉にヨミコをセンサーに捉えた。
「・・・っつぅ・・・は、ヤバ・・・逃げなきゃ・・・痛っ。」
辺りは真っ暗で、どういう状況か分かりづらくなっているが、立とうとしたヨミコはたった一つ、これだけは理解した。
「足・・・ケガした?・・・痛っ・・・膝・・・どうしよ・・・動けない・・・」
赤く光るトロットのセンサーと無数の足音。暗闇に響くその音は恐怖以外の何物でもなく、
「死んじゃう・・・私、ここで死んじゃうかぁ・・・ヤダなぁ・・・どうせならベッドの上とかで死にたかったっす・・・あと、カレシとか旦那さまとかに看取られるとか・・・あぁあ、最後くらい独りぼっちはイヤだなぁ・・・グスン・・・。」
完全に周りを囲まれた気配、トロットの排気の熱とセンサーの光がヨミコに覚悟を決めさせた・・・と、その時だった。
『ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン』
明らかにトロットのソレとは違う音が激しく響く。
「・・・?」
ギュッと目を瞑って死を覚悟したヨミコは恐る恐る目を開けた。
すると、
目の前を黒くて太いナニカが伸び、次の瞬間には囲んでいたトロットは全て破壊されていた。
「・・・へ?あえ・・・?」
何が起こったのか理解できないまま、その場に座り込んで状況を把握しようと周りを見渡す。
「バカヤロウ!ロボも無し、パーティも組まずのソロでこんな時間にこんなトコで何してんだ!死にたいのか!」
「ひっ!」
突然頭上から降ってきた罵声にビクンと肩を震わせ、恐る恐る振り返るとヨミコの瞳に飛び込んできたのはガンメタリックの大きなロボット。それもマシナリーが組み立てられる汎用2足歩行ロボット重機ではなく、転生の儀を終えたタタラベの最高職位『マエストロ』だけが触れることを許された強化外装ロボットだった。
「・・・・・・。」
その流れるようなフォルムと重厚なデザインにヨミコは声を出すことも罵声に反応することも忘れ魅入っていた。
「おい、アンタ。名前は?」
ぶっきらぼうな言い方もヨミコには届かず、
「おいっ!名前!」
「・・・ひっ、はいっ!ヨミコです!」
怒鳴るように名前を問うと、もう一度ビクンと肩を揺らし反応した。
「もう夜になっちまってる。下のフロアはマミーやら夜行性モンスターの活動時間だ。いくら弱い相手でもさすがに危ない。乗れ。」
「へ?」
いきなりの話についていけてないヨミコはキョトンと声の元を見上げる。すると、ロボの操縦席には白い仮面をつけた男が目に入った。
「ひ・・・呪いのマスク・・・。」
ヨミコはその見た目に怯えた声を出す。すると、男は
「あぁ、すまない。これは融合品でな、驚かせちまったか。」
先程とは全く違う優しい声で言うとマスクを外す。マスクの下から現れたのはあどけなさを残した青年の顔だった。
『まったく、オヌシはその趣味の悪いマスクをいつまで着けておるんじゃか・・・。そんなだから誰も近寄らんのじゃぞ?』
すると、今度は特徴のある話し方をする声が聞こえてきた。
「え?」
「うっせーよ死神幼女、てか、ドコ行ってたんだよ。探したんだぞ。まぁ、そのおかげで、コイツ助けられたんだけど。」
『ふむ?ならば問題なかろう?』
そんな会話が続いた直後、ヨミコの前に幼い少女が現れた。色白・・・とは違う真っ白な肌に深い色のローブを纏い、その躯体には到底釣り合わない大きな鎌を携えて。
「あ、あの・・・。」
何か話さないとと思って声を出した瞬間、ヨミコは自分と決定的な違いを見つけてしまった。
「う、う、う、う、う、浮いてるっ?!な、な、なんで?あ、私、もう死んでるッスか?あ、あぁ、そういうことッスね、だからお迎えなんスね、そっかー、タタラベは死んだら強化外装のロボにお迎えされるンスねぇ・・・。ふみゅぅ・・・。」
ヨミコの意識はそこで途切れその場に倒れた。
『おい、ライグ、こやつ中々に面白い娘じゃな。妾をお迎えだと言いよったぞ?ならば、こやつの魂を食ってもよいよな?こんなに生に満ち溢れた魂は久しぶり・・・ジュル・・・な、な?よいよな?ちゃんといただきますするし、あ、手もちゃんと洗うぞ?勿論、残さず全部食べるから・・・。ンギャッ・・・』
キラキラと瞳を輝かせている死神幼女に容赦のないチョップを繰り出すライグと呼ばれた青年は、ロボから飛び降りると地面に横たわるヨミコを抱きかかえ
「アホか。せっかく助けたのになんでそんな後味悪いことすんだよ。てか、おまえアイツからそういうの禁止されてるよな?確かに?オマエの主は憑依中に眠っちまうのはいつもの事だから?好き勝手できるとか思ってるかもだけど・・・知られたらまたお仕置き・・・いいのか?また、わんわん泣いちゃうんじゃないのか?んん?」
悪戯っぽい表情と口調で言うと、真っ白な顔をみるみる赤く染めて
『う、う、うっさいのじゃ!い、今のは冗談じゃ!アレじゃ、デキる女のうぃっとにとんだじょーくというやつじゃ・・・。のうライグ、今の黙っててくれぬか?』
泣きそうに見上げるその姿に
「言わねぇよ、それより帰るぞ。」
ライグは、ヨミコを抱きかかえたまま器用にロボに乗り込むと光の塔を後にした。
to be continue...
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