リハビリなんて大層なことじゃないんだけど、でもやっぱり指を動かして
ちょっとでも早く治らないかなーって!
そうだ、テキトーになんか書いてみよう。
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『ワタシ、晴れのち曇りその後大雨。ソラ、ずっと雨』
昇降口にさしかかり、ふと視線をいつもより少し先に投げる。
玄関のガラスの向こうではしとしとと雨が降っている。
私は雨がキライ。
じめじめするからとか、髪が思うようにまとまらないからとか、
気分が滅入るからとか、確かにそれも理由だけど、それはお気に入
りの赤い傘で解決できた。
でも、ホントは違う。
私は溜息を一つ昇降口の水皿(みざら)の隙間に落とし、上履きを履き替える。
少し重いドアを開け、玄関のひさしの下で青い傘を開く。あぁ、これも
理由の一つかもしれない。
あの日も同じように雨だった。雨が降っていたから止めようとも思った。けれど、占いがそれをそれを止めた。ラッキーカラーは赤。だから
絶対今日しかなかった。今日じゃなきゃだめだった。お気に入りの傘を
ギュッと握って、私は手紙に書いた場所へ向かう。
ダイジョウブ、キョウノ ワタシニハ ツヨイミカタガツイテル。
校舎の角を曲がった先に約束の場所はあった。古い桜の樹、恐らくこの学校で恐らく誰よりも。だからこそ生まれついた名前。
『 想 い 桜 』
ここで告白すると成就する。
二人の想いに嫉妬した桜の精は
二人に負けないくらいの綺麗な花を咲かせる
だから
この桜が咲いた春、結ばれた二人はさらに深く結ばれる。
何年も何十年も前から語り継がれてきたウチの学校の伝説。だから私
もその伝説を信じて、そして占いにもチカラを借りて、お気に入りの赤い
傘にもちょっぴり勇気を貰って。
つづく
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