11月のカレンダー

12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近のコメント

各月の日記

YUNIKOさんの日記

(全員に公開)

2012年
06月18日
01:50

梅雨をテーマに・・・その3

右手が無事回復したので、りはびりじゃなくなりましたw
なので、文量は変えずもう少しだけ引っ張ることにしました。
といっても、稚拙さは変わりませんg・・・(苦笑

今回のタイトルは百人一首から・・・
平兼盛 作。現代訳は・・・イチバン最後に♪
では、はじまりでーす。

-------↓↓本文↓↓---------
『忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで・・・だから・・・』

 雨が一段と激しくなってくる。手紙の場所に着いたとき、彼の姿はなかった。考えても見ればこんな雨の日に来てくれるのだろうか。いや、彼はそういうところ律儀だからきっと来てくれる。今は待とう、放課後って書いただけで時間書いてなかったし。私は赤い傘をギュッと握って桜の樹の下で待つ。傘に当たる雨の音に私の心音がシンクロしていく。
 そもそも、この恋は私の中で、このまま卒業まで持っていく予定だった。私の想い人『モリヤマ カケル』中学の同級生でクラスメイトにはなったことなかったけれど、好きになるのにそんなのは条件に入らない。中2からの想いは一度も告げることなく、無事卒業まで持っていけた。同じ高校だと知ったときは、夜ひとり部屋でドキドキして眠れなかったっけ。だから、高校に行ってもそのつもりで覚悟を決めていた。初恋は実らないのが一般的な定説だと信じていたから。けれど変化は入学式の朝、校庭から始まった。

『1年E組  22.森山 翔』
『1年E組  37.深山 ちはや』

それからの毎日を私はハッキリと覚えていない。嘘だ。毎日がドキドキで嬉しくてしょうがなかった。当然クラスメイトなのだから話す機会も増えたし、同じ中学という共通点もあってクラスの中でも仲が良い方になり、いつの間にかクラス内の友達グループに私と彼はいた。最高だった。

だから

この関係もこの距離感も何も無くしたくなかった。彼が好き、でもソレを告げて今の状態が壊れてしまうのは最悪のバッドエンドルートだ。だから私は改めて誓った。「この恋は卒業式まで持っていく。」

けれど

その誓いは1年経った春の朝、校庭で揺らぐ。

『2年A組  21.森山 翔』
『2年A組  37.深山 ちはや』

また1年、彼と同じ教室で同じ空気を吸う。彼の姿が視界に入り、声が聞こえる。彼の口から私の名前が紡ぎだされて、彼の瞳に私が映る。あんまりだ。隠せるはずがない。この想いは留まるところを知らなかった。いつの間にか友達にまで感づかれてしまう有様だった。

「ちはさぁ、」
「ん?」
「最近なんか悩んでる?」
「な、なんで?」
「ん~、なんていうかさ、上の空?って感じがさー。」
「・・・・・・」
「まさかの恋悩?」
「ちょっ!なんで・・・」
「あはは~♪乙女のカンですよ~☆」
「もう、ミキはぁ・・・そういうことスグ言うぅ。」

ダメダ ダメダ コノママダト コノオモイガ タニンノコトバデ カレニツタワッテシマウ

それが現実になってこの関係に綻びが生まれてしまうのは、バッドエンドを通り越してデッドエンドだ。それなら・・・

『私の想いなんだもん、私の言葉で伝える。』

そして今・・・。
 雨の喧騒と傘に落ちる雨音に混ざって足音がひとつ、今この空間で奏でられているメロディに割ってソロパートを奏で始めた。彼だ。

「深山・・・。待ったか?」
「う、ううん。だいじょうぶ。」
「そっか。」
「うん。」
「あのさ・・・」「あのね・・・」

今、世界で一番短い歌劇の幕が上がる。

                                        つづく

-----------------------------------------------------------
~忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで~

『あなたへの恋心を知られまいと我慢していても、顔に出てしまい、周りの人に"何か悩み事でもあるのか"と、問われてしまうほどです』
  • ECOじゃない創作

コメント

1番~5番を表示

2012年
06月18日
07:52

百人一首は恋を詠んだ歌が多いですよね
今でも「あぁ、わかるわかる」って思うようなのばかりで、1000年以上の時を経ても恋心というものは変わらないんだなぁ…って思います

結末が気になります
カケルくんが成就しないと思ってる理由とかも…

2012年
06月18日
18:37

>>エコイストさま
毎度ご来店(?)ありがとうです!
百人一首に限らず、和歌の恋歌は切ないものが多いですよね。
現代のように連絡手段がないあの時代、自分の中に募る想いを
こうして歌に詠む。あの人に届くわけじゃないのに・・・。
切ないですよね。しかも歌の内容って結構大胆なものも多くて
情熱的だなぁって思いますw

結末?
ふっふっふー、もう少しだけお付き合いを♪

2012年
06月18日
19:17

ぬわー!
なんか無性に続きが気になるw

結末はどうなるのか・・ハッピーエンドなのかそれとも・・・
ハッピーエンドだといいなぁ・・・(ボソ

2012年
06月18日
19:22

くすぐったい(*ノωノ)ぽわゎ
この感じ、良いね!
ゆにこたまは奏でて紡ぐのが好きだよねぇ。
読みやすくて、入り込み安くて、とっても良い感じです!

2012年
06月18日
19:52

>>るみねちゃん
コメントありりですw
ぬわー!なんて叫ばせちゃいました☆
今回は文量少なくても何か感じてもらえるモノを・・・が目標なので、
このコメントは嬉しいな♪
結末はもうちょっとお待ちをw

>>えめるさまん
いっつもありがとね♪
くすぐったい、もどかしい、そんな風に感じてもらえたら嬉しいな☆

>>ゆにこたまは奏でて紡ぐのが好きだよねぇ。
ソコはほら、スキル不足なので・・・><
なんていうか、世界って色んな音があるじゃん?でね、それってそのときの自分の感情とか体調で雑音にも心地いいリズムに聞こえたり・・・。
だから、人の口から出てくる言葉も同じかなーって。イヤなヤツの言葉って雑音にしか聞こえないとか、スキな人のセリフって全部心地よかったり。w
 そんな感じを出したくって使うんだけど、やっぱり私のスキルが足りなさ過ぎてダメだわぁ><

もっともっと精進するっ!
どうせなら、読んだあと「気持ちいい」って感じてほしいもんね♪

1番~5番を表示