九月に仲間になったワーウルフ・ロアだ。
今年で最初にして最後の男性型ペットというわけだな。
ロアとしてはバステトに続く二人目で、アルマも含めれば四人目の当たりなんだ。
ベルッドは・・・当初は俺の事は金券としか思ってなかったようだな。
まぁそれも仕方あるまい。
あいつは男性が嫌いだし、異様に寝取られを警戒してるからな。
俺だって、そんな中にいるのはイヤだし、望んでくれる人物の元へ行きたいじゃないか。
それが居座ることになったんだから不思議なものだ。
原因はベルッドの姉のヴェルディアだ。
ベルッドは数えるのも面倒なほど嫁がいるのに、自分は夫はおろか彼氏すらいないのが不満だったそうだ。
そこへ俺が現れて、しかも自分の好みだったものだから、ベルッドに交渉して自分の婿にしたらしい。
俺は・・・俺もヴェルディアは嫌いじゃない。
だが獣人であることは気にしないのだろうか?
そう思って聞いてみたんだが・・・・
世の中にはね、嘘をつく二枚舌の持ち主もいるんだよ。
夫が浮気をすればツノを出す女房もいるし、好みの女を見れば同意もないのに襲いかかるケダモノ野郎もいるの。
え?
それは表現であって実際にはないだろうって?
だったら、弟の嫁はどうなのよ。
獣耳にシッポまであるじゃないの。
でも、弟は気にしないわよ。
そして私もね。
男のクセに些細な事を、いつまでもグズグズ言ってんじゃないわよ。
とまぁ、こんな調子でね。
何とも豪胆な女だろ?
・・・・そういえば、俺は初めて人に惚気たのか?
すまないな。
これは中々いい気分だ。
さて話を戻すが、ヴェルディアと結婚して俺もファミリーの一員となったのさ。
意外だけども、その後はベルッドも俺の事を義兄さんと呼んでくれるようになった。
あれだけ寝取られる事を警戒してた男が・・・・。
不思議に思ったので聞いてみたんだが、姉という巨大な首輪がついた男が浮気なんて出来る訳が無い、だそうだ。
そうかもしれんな。
だが、俺も人並みの幸せを手に入れた。
このめぐり合わせに感謝を!
最後に一つ、思っている事を言わせてくれ。
ファミリーでベルッドを除けば、男は俺一人だと思っていたんだが・・・
ネコマタの杏、彼も男性だったんだな。
男性に対して警戒心の高いベルッドが、彼に対してはノーマークだ。
杏という男は、実は凄い奴なのだろうか?
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