閉店間際にやってきた二人の男の子、エミルとタイタス。
トーコの本命は?!
ルピ鯖メンテがお届けするあまりにも早い第7話!
はじまりはじまり~
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目的の袋を取り出して、立ち上がった私に声がかかる。
「そうそうトーコちゃん。結局、トーコちゃんの本命はどっちなんだい?」
思わず手にした麻袋を落としそうになる私。
「は、は、はぁ?!」
あわてて振り返ると、フライパンを片手に格闘するマスターが好奇心に満ち溢れた子供のような瞳でこちらを見ていた。
「マ、マスター!な、な、何言ってりゅんですか?!」
突然の振りに思わずかんでしまった。
「何って、トーコちゃんの好きな人のコトだよ。」
「それは今のセリフで見当つきますけどっ!わ、私っ!」
想像もしていなかった人から想像もしていなかった言葉に続きが出てこない。しかし、そんな私を知ってか知らずかマスターはフライパンを振りながら続ける。
「だってさ、トーコちゃん真面目だし、働き者だし、それに可愛いじゃないか。それなのに恋人がいないって不思議に思うってフツウ。」
「そ、そんな、わ、私真面目とか、か、か、かわ・・・」
「そーなると、いないんじゃなくて作らない理由があるのか・・・と。そう、実は女の子が好きとか!」
『えええええええ!それは想像してなかった展開だわっ!!!』
「ちょっ!!!!なんでそーなるんですかっ!・・・・・・あ」
私の右手に握られていたはずの麻袋がなくなっている。
「ト、トーコちゃん・・・ツッコミは手の甲で・・・ソレ投げると鈍器に・・・」
握られていた麻袋はマスターのこめかみにヒットしていた。
「わ、わ、わ、わ、ごめんなさいっ!!でも、マスターがヘンなコト言うからですよ!」
「イテテテ・・・ま、まぁ冗談はこれくらいにして、ぶっちゃけどっちなの?エミル?タイタス?」
「マ、マスターぁ・・・もう知らないですっ!早く料理仕上げちゃってくださいっ!」
私は、マスターのこめかみにヒットした麻袋を拾ってホールへ戻った。その途中、
『そーか、トーコは女の子がスキ・・・と。これは、今までになかったケースだわ。でも、それはそれで燃えてくるわねっ!』
忘れてた・・・ココに厄介なのがいたんだ・・・。
『コラソコッ!燃えないのっ!っていうか、私は女の子がスキとかそんなのじゃないから!』
『ふーん、それじゃあの男のどっちかなんだ?エミル君とタイタスさん?だっけ?』
キサラギがまた私の肩にちょこんと座ると足を組んで長い三つ編みの毛先を摘んで私の頬を撫でる。
『ちょっと、くすぐったい!まだ仕事中なんだから邪魔しないでよ。』
『ハイハイ、わかりました。それじゃ帰ったらじっくり、たっぷり、みっちり、ねっとり訊くからね』ポフッ
そう言うと、キサラギは姿を消した。
「なによ・・・ねっとりって・・・」
麻袋をキュッと握りなおすと、二人のテーブルに戻り報酬の麻袋を手渡す。その後しばらくしてテーブルに料理が並んだ。閉店間際の店には客の姿はもうなく、エミル、タイタスそしてマスターは同じテーブルで夕飯がいつの間にか酒盛りになっていた。私は店の片付けと洗い物を済ますと、着替えを済ませてホールに戻り
「あー♪盛り上がってますねー。マスター?それじゃ私、上がりますねー。」
ソコは、すでに酒盛りはピークに達しているようだった。ガハハとエミルの頭をポンポン叩くマスター、普段温厚で柔らかい感じのマスターって酔うと何?ワイルド系?エミル君・・・泣いてる?!何で?泣き上戸?!タイタスさんは・・・予想通り顔色一つ変えないなぁ。目を閉じて、グラス片手にちびちびお酒を・・・飲んでない?!あれ?もしかして寝てるの?!私は三者三様の姿に思わず吹きそうになる。
「おー♪トーコちゃん、お疲れさんだー。厨房に残り物で悪いけど、賄い作っといたから持って帰って食べな。それじゃ明日も頼んだよー。・・・ホラ、エミルッ!オマエも見送れっ!」バキッ
「うう~、僕はいつも頑張ってるのにマーシャが・・・悪魔が・・・あのおっぱいは武器なんですよ・・・ヒック・・・」
「あ、あははは・・・・。それじゃおやすみなさーい。あんまり飲み過ぎちゃだめですよー・・って聞いてないですよねー。」
酔いどれ3人組をその場に私は家路についた。
温かいお風呂に入って一日の疲れを落として、マスターの美味しい料理を頬張って・・・そんな私の小さな幸せ計画が・・・
・・・To be continue
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