さてさて、ひと段落したユニコとの一方的なバトル。
次に待ち受けているのは、犬っ娘とのバトル再発か?!
それとも鈴緑vs犬っ娘のバトルの激化か?!
大きく膨らむ・・・膨らむのは・・・第5話はじまりま・・
あ、この書き方はここじゃなかった><
------本 文------
それからしばらくして、エメルが茂みからジャケットの襟を直しながら出てくる。ジャケットのポケットからハンカチを取り出すと、そっと口元を押さえて
「ごちそうなまでした。ユニコまた遊ぼうね♪・・・って、聞こえてないか。」
何とも意味深な言葉をユニコに投げかける。茂みの入り口で待っていたエイルがカメラを左手で自分の顔の横にまで持ち上げ、
「お疲れさま、姐さん。一部始終ドラマチックに収めたで♪んで、これどするん?なんならSNSで公開するか?DVDにしてアップでこっそり頒布する?」
悪魔的な表情で私に持ちかける。まぁ、ぐるぐる眼鏡でよくわかんないんだけど。
「あー、いいや。でも、データは私に頂戴ね。奥の手として残しとくから。それにユニコは友達だからさ♪」
「もう、姐さんは甘いわぁ。ホンママシュマロみたいに甘々やわぁ。でも、そんな姐さんやさかいウチ大好きなんやけどな。ほんじゃ、ウチこのデータ保存用に加工してくるわ。出来上がったら姐さんン家に届ければええか?」
「あいあい、ありがとね。」
そういうと、エイルはその場から離れた。残った私の次の仕事は・・・
「さて、緑ちゃんどーなってるかな。」
私はもう一つ、いや元々こんな風になった惨状へ視線を向ける。
「お?終わってる?」
鈴緑と犬っ娘の激しいスキンシップは、終了を迎えていたようで鈴緑のカラダに馬乗りになった犬っ娘は大きなアクビをしていた。私はそこへ近づくと耳をピクンとさせて犬っ娘がこっちを振り返り、またも尻尾を左右に振り出した。しかし、もう勝手がわかったらさっきのようにはさせない。少女の両脇に手を入れると、そのまま持ち上げる。
「ほうら、堪能したか?犬っ娘ぉ。」
「くぅ~ん。ハッハッハ」
抱き上げられることを予想していなかった少女は少し不安げに私を見つめる。しかし、この子は言葉がしゃべれないのだろうか。人間ではないのは確か、耳あるしな尻尾も。
「ねぇ、キミ名前言える?」
「・・・?」
「お姉さんの言葉わかんないかな?」
すると、
「・・・なまえ?」
言葉が返ってきた。しかし、その口調はまるで言葉を覚えたての幼児のように拙い言葉だった。見た感じそんなに小さいわけでもないのにと不思議に感じる。
「なまえ・・・なに?さっきのぼくがたべたの?」
「ぼ・・・ぼく・・・(ΦωΦ)キラーン・・・はっ!ダメダメ、それは後。」(アトカイ!
「そうじゃなくって、キミのこと何て呼ばれてるの?」
少女は少し考えて・・・考えて・・・ハッと何かを思い出したように
「バウ!ぼくバウって言われてた!」
目をキラキラさせて答える。しかもドヤ顔のおまけ付で。しかし、その名前は色々マズイだろう。確かに犬っぽい、いや犬だ。わん!とかくぅ~んとか。と、そこである噂話を思い出した。あれは、鈴緑の誕生日の準備でシャーマンBOXを買いにアップに出かけたときのこと。
店主『最近、モンスターが人の形して稼動橋をウロウロしてるって噂、
聞いたかい?』
エメル『いや?聞いたことないなぁ。でもなんでモンスターだってわか
るの?』
店主『いや、アップに入ろうとして守衛に止められたらしいんだ。
通行証がなくてさ、それでもしつこいからって守衛がちょっと怒鳴った
ら煙がもくもく~って出てほら、フェザーだっけ?羽のモンスター。ア
レになったんだってさ。』
エメル『へぇ~。』
店主『しかも、そのモンスターってのは何でも可愛らしい嬢ちゃんだって噂
だよ。』
エメル『可愛らしい女の子・・・しかも幼い・・・。』
・・・といった感じだ。もしかしたら、ホントにこの子もソレなのかもしれないな。私は目の前の少女を地面に下ろすと、同じ目線まで屈んで
「それじゃ、ちょっと待っててくれる?いい子で待っててくれたら、またイイモノあげるからね♪」
そう言って、頭を撫でてあげる。少女はうれしそうに目を細めてから
「わん!」
と返事してその場にしゃがみこむ。私は少女がしゃがんだのを確認すると、今回最大の被害者の元へ近づく。
「緑ちゃん、大丈夫?ごめんね、すぐに助けてあげたかったんだけど、意外な邪魔が入っちゃって。」
「・・・はぁはぁ・・・にゃぁ・・・ご主人~。」
鈴緑はくたっと、脱力した状態で涙を溜めた瞳は虚ろ、服も襟元は大きくはだけスカートは盛大に捲くれ上がっていた。捲れたスカートから覗かせる粉雪のように白い脚が、今は春を予感する桜色に染まっていた。
「あいよ、おぉおぉヨシヨシ。あぁあ、こんなにはだけちゃって・・・スカートも。しっかし、盛大に舐められちゃったねぇ。」
私は鈴緑の服を整えながら時折、鈴緑の頭を優しく撫でてあげる。
「それよりも・・・あの子は一体なんなんれすか・・・。」
「うーん、なんなんだろうねぇ。」
ピッキーーーーーン
「な、なんなんだろうって、なんれすかっ!まるで、浮気を誤魔化す夫みたいなセリフじゃないれすか!アレれすか!タバコ買いに出てくるって言って2時間帰ってこないパターンれすか!」
よほどあのスキンシップがダメージ大きかったのだろう。物凄い剣幕で訳の分からない例えでまくし立ててくる。この子・・・普段、私がいないときに一体何をしてるんだろう。
「まぁまぁ、後でゆっくり話ししよう?今晩一緒にお風呂でも入ってさ。ね?それより、あの子の事がちょっと気になってさ・・・。」
私は少し離れた所で座っている少女に視線を向ける。
「あぁ!ご主人、やっぱりあの子がっ!あのっ・・・」
両手を上げてポカポカと叩いてくる鈴緑を私は素早く抱き寄せ抱きしめる。そして優しく頭を撫でながら
「何言ってるの。私は緑ちゃんがイチバン好きだって知ってるでしょ?やきもち妬く緑ちゃんも可愛いと思うけど、いつも笑ってる緑ちゃんの方が私は好きだな。」チュッ
「にゃぁ!・・・むぅ~、なんかはぐらかされた気分ですぅ。ご主人はこういうときのみどりの扱いが上手すぎるのです。」
そう言って鈴緑は私の胸に顔を埋めてゴロゴロと甘えてくる。
「そういえばさ・・・」
「にゃ?」
「緑ちゃん、人型になったら『みどりは今まで憧れていたメイドさんになるです。だから、これからはご主人さまって呼ぶことにするです。』って言ってたよね?なんかご主人って戻ってない?」
私の不意をついた言葉に鈴緑はカーッと顔を紅らめて
「そ、それはですねっ、み、みどりにこんなイジワルするような人は、さまなんていらにゃいのれすっ!ご主人でじゅーぶんなのれす!以上れす!」
「ぷっ・・・♪」
「あーーー!今、笑ったれすね!ひどいれす!やっぱり、ご主人はご主人って呼ぶんれす!」
「あいあい、ごめんごめん。あんまり可愛いから思わずね・・・ぎゅーってしたくなっちゃうんだよ☆」
そう言って、鈴緑をさらにギュッと抱きしめる。
「もう、やっぱりご主人はジゴロなんです。ご主人のてくにっくでみどりはメロメロなのれす。」
鈴緑は、再度私の胸に顔を埋める。
「それじゃ、残るは・・・」
私は少し離れたトコロでしゃがんで尻尾を振っている少女と目が合った。
あまーいあまーい締めくくり♪
一応、とぅびぃこんてぃにゅう しとく?
⇒1 わん? 2 にゃう~ん♪ 3 ぴきーん!
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