リアルが超忙しくて、なっかなか書けなかった第3話!
やっと書けた~><
前置きはナシにして、さっそくいってみよー!
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シーン3:【appasionato 箱入りティタ vs 魔女マーシャ】
陽がだいぶ傾き、廊下が薄暗くなり始めた頃、ティタの所属する合唱部の練習は終了する。部員達は各々後片付けをさっさと済ませ、次々と帰宅していく。少しノンビリ屋さんのティタは、譜面の片付けと部屋の掃除をせっせと行い帰宅するときには辺りは暗くなっていた。闇に包まれた廊下は、昼間の喧騒がまるで夢であったかのように静まり返る。
「あぁん、遅くなっちゃったよぅ。夕飯のお買い物してたら遅くなるし・・・今日はあるものでチャチャっと済ませちゃおう♪」
誰もいない廊下を渡り、昇降口についたときだった。下駄箱で本日イチバン会いたくない人物と鉢合わせてしまった。
「あら?ティタじゃない。今帰り?遅くまで頑張るんだねぇ。」
そこにいたのは、生徒会長マーシャだった。ティタはその姿を瞳に映した瞬間、今日の放課後の出来事がフラッシュバックする。
「マ、マーシャ・・・。こんばんは。」
ティタは、両手に抱えた鞄をギュッと抱きしめると少しトーンを落として挨拶する。
「もう、一応アタシは年上なんだからさ、さんくらいつけなよ。って別にいいけどさぁ。」
マーシャはポニーテールにした髪の毛の毛先を右手で摘むと自分の頬をなぞる。ティタはマーシャが苦手だ。普段は優等生な彼女だがそれは世を欺く仮の姿。達人級の猫被り技をずっと見せられ、それに気付かない周りの教師を見るのもウンザリしていた。
「それよりさ、ティタってエミルと付き合ってるんだよね?」
「そ、そうだけど。」
マーシャは、摘んだ毛先をハラリと落とし、
「ふぅん、じゃあさドコまでイッたの?キス?それとももうエッチした?」
両手を胸の下で軽く組み、見下すような視線。ティタは一瞬キッと睨み返すが、ソレに見合った言葉が口に出せない。なぜなら・・・
「・・・まだだよ・・・。」
「は?」
「まだキスしてないよ・・・。」
「はぁぁ?!二人付き合っててキスもまだとか、あはははは☆それドコのおとぎ話の王子様とお姫様よ?!」
マーシャは大きな瞳を更に大きく見開いて両手を叩く。ティタの瞳に涙が浮かぶ。しかし、流れ出さんとするその粒をグッと瞳の中に留めると、
「べつにっ!別に付き合ったからスグにキスとかしなくても!エミルくんは・・・エミルとは気持ちが繋がってるから大丈夫だもんっ!」
「へぇ。大丈夫なんだ?何が?そんなお子ちゃまなお付き合いで何が大丈夫だと思う?ん?言ってみ?エミルだって健全な男の子なんだよ?そーゆーコトに興味ないワケないじゃん。」
マーシャの言葉の一言一言が針となってティタの心に突き刺さる。ティタの瞳に浮かぶ涙が流れだそうとしたときだった。不意にマーシャが右手の人差し指を顎に添えて、
「そういえばさ、来週ってエミルの誕生日だよね?デートとかするの?」
「な、なんでそんな事アナタに言う必要があるのよっ!」
「しないの?」
「するよっ!エミルのお部屋で二人だけでお祝いするんだもんっ!」
その一言を待ってたとばかりにマーシャが提案してきた。そしてもう一度腕を組み直し、
「それじゃあさぁ・・・私と勝負しよーよ、エミルを賭けて♪」
「は?勝負?え?え?えええええ?!なんでそんなコトっ!」
「そもそもさぁ、私とエミルって将来を約束した仲なのよねぇ。なのに、横からしゃしゃり出てきてさぁカノジョ面?私的にも常識的にも超アリエナイんですけど。しかも、その相手はエミルに何もさせないとか・・・エミル超カワイソウじゃん。」
「なっ・・・」
ティタはマーシャの豹変ぶりがいつもとは違うことに気付いた。脚が震える。マーシャはティタのそんな部分を見逃すハズもなく、
「エミルの誕生日にさ、エミルが手を出すのがどっちか勝負しましょうよ。私とティタ、どっちがエミルを誘惑できるか・・・。」
「そ、そんなコトできるわけないでしょ!不潔っ!」
「ふうぅん、あっそか、ティタ自信ないんだ?まぁ、その直線じゃあねぇ。」
マーシャはまるで値踏みでもするかのようにティタの全身を眺め、フフンと鼻で笑う。その行動にティタの中に眠っていたナニカに火が点いた。
「ちょっ!ちょっとっ!直線ってなによっ!ちゃんとあるもんっ!」
そう言いながらも、つい両手で胸を隠してしまう。
「あるっていうのはね、私みたいなのを言うのよ?わかる?」
「そ、そんなのは下品っていうんだもんっ!」
「それを決めるのはエミルで、アナタじゃないでしょ?」
マーシャのセリフに更にティタに点いた火は大きくなる。
「いいよっ!どっちがエミルに相応しいか、勝負するっ!絶対負けないもんっ!」
「フフン。来週が楽しみネ。それじゃ、私はこれからニーベルングの美容院予約してあるから。じゃあね、バイバイ、お・こ・ちゃ・ま♪」
一方的に話を進め一方的に完結させ、マーシャは昇降口を出て行く。そこに一人残されたティタは持っていた鞄を地面に叩きつけ、
「むかつくぅぅぅぅ!!!むかつくむかつくむかつく!!絶対負けないもんっ!エミルくんは私のだもんっ!」
地団駄を踏むティタ。恐らく今まで生きてきた人生で、ここまで怒ったのは今日が初めてだと思う。肩で息をする自分をゆっくり落ち着かせるために深呼吸を1回・・・2回・・・。
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。ヨシ!」
パンと両手で頬を打って気合いを入れる。地面に叩きつけた鞄を拾い上げ、ティタは小さくガッツポーズ。
「絶対勝つんだからっ!」
しかし、気合いの入ったティタの姿は次の瞬間には・・・
「でも、どうしたらいいの?あのエロエロ魔女に勝つのって・・・。」
勢いで受けたのはいいけれど、何も浮かばない箱入り娘の運命は・・・
・・・To be continue
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Appasionato(アパショナート)→[はげしい感情をもって]。
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