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各月の日記

YUNIKOさんの日記

(全員に公開)

2012年
05月24日
23:30

5『アクロニア学園狂想曲(カプリッチオ)』

最終回といいながらっ!
やっぱり最終回にできなかったダメな子・・・><
でも、だって!タイタスが!ベリアルが!二人が会話しちゃうから!
というか、長くなりそうだったので今回も2つにわけちゃいました。
それでは、はじまりはじまり~♪

------↓↓本文↓↓------
シーン5:【cadenza  Emil’s birthday, sweet moments like the kiss of the devil】

 朝、ドレッサーの前に座って鏡に映る自分と対峙するティタ。今日は待ちに待った特別な日、正確に言うと『特別にしたい日』コチラの方が正しい。しかし、その願いも先週見事に打ち砕かれた。だから今日は特別な日なのだが、同時に決戦の日でもある。でも、だからなんだ、今日でハッキリするじゃないか、エミルくんの傍がイチバン似合うのは私だって証明できるじゃないか。鏡に映るもう一人の私に・・・いや、自分の弱い心に言い聞かせる。

「よし・・・。」

ティタはドレッサーに置いてあったリップスティックに手を伸ばす。今日のためにアップタウンで思い切って買った薄い桜色のリップスティック。ちょっと背伸びしてピンクのリップブラシもお揃いで買った。

「・・・・・・。」

しかし、その指はそれらに触れる手前で止まる。その理由はふたつ・・・。

 ひとつ目。生まれて初めて買った記念すべきリップスティックは、やはりエミルくんにだけに魅せたい。それもこんな悶々とした状態じゃなく、私の心がエミルくんで埋め尽くされている状態で。
 ふたつ目。それはお兄ちゃんのコトバ。
『ティタ、兄ちゃんはオマエの素顔がイチバン可愛いと思うぞ。化粧もいいが、本当に綺麗に魅せるのは化粧品とか道具じゃない。自分の心、気持ちなんだぞ。』
そのセリフが、私の指の動きを鈍らせる。
『しかし、このダンボールの中身を使えば更にパワーアップだけどなっ!!!!!!』
と、その後のコトバは忘れよう。
 ティタは、鏡の前のリップスティックにゆっくり触れるとそっと持ち上げて、一番上の引き出しに仕舞う。そして、スッと椅子から立ち上がるとくるっとカラダを反転させてベッドの脇に進む。そこにあるのは大きなダンボール箱、先日タイタスに相談したときに渡されたものだ。ティタは箱の前に膝をつき正座する。右手でそっと箱を撫で

「ほんとに・・・ほんとにコレで私、変われるの・・・お兄ちゃん・・・。」

ティタは左手を自分の胸にそっと添えて大きく深呼吸をすると、目元鋭く

「お兄ちゃん、私頑張るっ!」

禁断の箱の蓋を勢い良く開けた。
 その頃ダウンタウンの一角で二人の男が缶コーヒー片手に話しこんでいた。

「今日はティタの人生で最初の晴れ舞台なんだ。わかるか?あの純真無垢な穢れを知らない天使のような我が妹。」
「いや、天使じゃん。」
「タイタニアは天使じゃない!天空人、天空族なんだ。」
「わぁってるよ。んで、こんなトコまで引っ張ってきやがって。昨日遅くまでハニーとキャッキャウフフしてたから眠みーんだよ。」
「だから、コーヒー奢ったじゃないか。」
「ホットドッグも付けろよ。」

そう言って、コーヒーをズズっと啜った瞬間

「ハニーってルルイエだろ?」
「ブッ!!!な、なんで・・・オ、オマ、タイタス知ってたのかよ?」
「気付いてないと思ってるのはお前だけだ。アホベリアル。」
「んなっ・・・」

ベリアルの顔が一気に赤く染まる。

「まぁ、今日はそんなことどうでも良いんだ。ティタの・・・ティタの晴れ姿さえ見られれば!」
「そ、そんなことて・・・イイケドヨ。それよりマーシャとティタに祝ってもらう誕生日とかエミル何様だよ・・・ったく。んで、ホントにマーシャがエロい格好で来んのかよ。」
「間違いない。今日は最終ラウンドだからな。」
「意味わからんわ。まぁ、マーシャのエロい姿が見られればいいけどよ。」
「あ、ルルイエ、おはよう。」
「ちっ、ちがうんだっ!これには深い深い・・・サウスダンジョンより深い訳がっ・・・?!」
「ナンチャッテ。嘘だ。」
「・・・・・・・」
「べ、別にオマエの焦った顔が見たかったわけじゃないんだからなっ」
「・・・・・・・」ガッ!
「ゥガッ・・・無言で殴るな。」
「・・・・・・・」
「お、そろそろ時間だな。」
「オイ、何かつっこめよ!」
「どこにだ?」
「もういい。」

バカなやりとりもそこそこに二人は1軒の家の影に隠れる。暫くして、マーシャが現れた。その姿はドコの社交界にデビューするのかと思うようなスノーバルルのコートを身に纏っていた。さすがギルド評議委員代表・ルーランさんの孫娘、見事なセレブっぷりだった。右手に下げていた少し大きめの紙袋がプレゼントか。

「ぉぃぉぃぉぃぉぃ。なんかスゲーな。あのコートの下ってどーなってんだぁ?カーッ!><」

ベリアルのテンションが一気に上がる。

「少し黙れ。気付かれる。」
「あ、スマン。」

そして暫くし、ティタが現れた。

「おぉ・・・さすが我が妹。・・・・・・はっ!ニヤリ。ティタめ、やはり兄ちゃんを信じたか。」

現れたティタは、ピンクのダッフルコートを着てフードを少し深めに被っていた。コートの下はミニスカートなのか、コートの裾から伸びるのは白いオバニに包まれた脚。大事そうに両手に抱えられた箱がエミルへのプレゼントのようだ。ティタは玄関の前で立ち止まると小さく深呼吸をして、何かを決意したようにウンッと頷くとドアをノックした。するとドアが開き中からエミルが顔を出す。その表情は焦りと驚きが入り混じったなんともブザイクな顔になっていた。

「や、やぁティタ・・・あの・・・あのね、なぜかね・・・」

しどろもどろのエミルにニッコリと微笑を返すと、

「マーシャ、来てるんでしょ?」
「あ・・・う、うん・・・でもねっ、きょ」
「いいの。今日マーシャが来るのは私との約束だから。」
「・・・え?」
「だから、今日はエミルくんを二人でお祝いするの♪」
「え?えぇぇ!?だって、今日は・・・」

エミルのしどろもどろが更に加速する。しかし、ティタは自分の身体をエミルの胸元に飛び込むように押し付けて

「ほぉらっ、早くっ☆せっかくケーキ焼いてきたんだから、早く準備してお祝いしましょ♪」
「うわっ。う、うん。それじゃど、そうぞ・・・。」
「おじゃまします♪」

押し付けた身体でエミルを回れ右させると、そのままエミルをエイッエイッと押しながら奥へ進んで行った。部屋に入ると、そこに猛禽類が牙を剝いていた。

「あら、お子ちゃま。私達をお祝いに来てくれたの?(´-+`)フッ」
「きゃっ!バルルがしゃべった・・・と思ったらマーシャだったんだ。そのまんま過ぎてわからなかったよー♪見た目も中身も☆(ΦωΦ)キラーン」

よく、ライバル同士の視線のぶつかり合いを稲妻で表したりするが、二人のソレは稲妻どころではなかった。・・・そう、もうビームだった。二人の間にいたエミルは本能的に飛び退いてしまった。自分の行動にハッと我に返ったエミルはコホンと咳払いを一つすると、

「そ、それよりさっ、今日ってそんなに寒かった?二人ともコートなんて着ちゃってさ。」

エミルの一言に対峙していた二人はクルッとエミルのほうに振り向いてニッコリ微笑み、

「「こ~れ~は~、ヒ・ミ・ツ♪後のお・た・の・し・み♡」」

二人の微笑みは、天使の微笑みではなく悪魔のソレに見えた。その表情にエミルはゾクゾクッとするが、その背中を走る悪寒すらも二人の微笑みの前では、エミルの体内に留まることなく走り抜け、アクロニアの疾風になる。

・・・To be continue

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cadenza(カデンツァ)→自由な独奏部。または、楽曲の終止法。

タイトル和訳→エミルの誕生日は悪魔のキスのように甘いひととき
  • ECOの創作

コメント

1番~5番を表示

2012年
05月25日
07:29

くそう、焦らすのがうまいな…!
そして相変わらずぶれないタイタスw
もう、これ影の主人公はタイタスだよね!

2012年
05月25日
16:51

ゆにこたまは焦らしプレイがお好きなようで。

もうタイタスが良いキャラ過ぎてニヤニヤとまんないw

「お、そろそろ時間だな。」
「オイ、何かつっこめよ!」
「どこにだ?」
「もう・・・いわせんなはずかしい///」

って、食いついちゃうじゃんか!!


次回が気になって仕方ない!むきー!

2012年
05月25日
18:22

決戦の火蓋は切って落とされた・・・
どんな最終回になるか楽しみにしてます^^

しかしベリアルとルルイエは夜遅くまで一体なにをしt・・・うわなにをするやめろ

2012年
05月25日
18:53

ええええええええええええええええええええええええええ
まさかの引っ張りwwwwwww orz

ベリアルとルルイエのキャッキャウフフがあったとは思いませんでした(笑)
あの二人・・・濃そうだなぁ(色々)・・とか・・・(何ww)

ラストの文見ると、エミルの死亡フラグにしか見えませんwwww

2012年
05月26日
00:46

ただいま~!そして、コメントありがとーう!
でわでわ

>>サキさま
いっひっひっひ☆
まさかの未完でキーッってなった?なった?w
続きはもーちょっとなので、そのまま全裸待機ヨロッ!

>>えめるさまん
もう・・・ソレはえめるんがイチバン知ってんじゃん♡
タイタスが思いのほかイイ味出しすぎて・・・w
>>「もう・・・いわせんなはずかしい///」
これ!こっちのほうがよかった!もう、おしえてよ~w

>>るみねちゃん
ベリアルとルルイエのキャッキャウフフの内容は、
ベッドでn・・・キャッ・・・ちょっと!・・・・んぁぁぁ!だめぇ! ガタン!ガチャ!

>>ぷにたん
まさかの!そろそろ私の十八番になりそうなwww
あの二人は、そう、それはもうあのシッポdン~ン~ン~!!!!
ん~!っぷはぁ・・・ちょっとヤメ・・・んーーーー!ガタン!ジャラジャラガチャ!

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