ルピナス鯖のブレイドマスター、ベルッドだ。
昨日、俺はレベル90装備の礼服を着れるようになるために、軍艦島のDDに行ったんだ。
50%まで稼いでると思っていたが、実は41%しか稼いでなかった。
それでも地道に稼いで、56%まで上がってた。
だが、そこからが問題だった。
俺じゃない。
中の奴だ。
徹夜明けだったんで、体が持たないんだ。
目を開けたまま眠ってるような、ディスプレイではなく白昼夢でも見てるかのような・・・・・
俺も戦っててヒヤヒヤしたぜ。
そんな時に、メンバーから狩りに誘われたんだ。
どうしようか迷った。
だってなぁ・・・・
狩り中に寝ちゃいそうな気がしてよ。
それじゃ悪いもんな。
それで躊躇ってたら、メンバーが言うのさ。
憑依して、中からマルコンを使ってくれれば良い、と。
うん、楽なお仕事です。
しかし、それだと寝てしまうんじゃないか・・・・
でもまぁ、それを承知で誘ってくれたんだ。
行こうじゃないか!
行った先は氷結DD、何かと噂の場所だよな。
正直、狩りを始めた時は経験値は大したことないなって思った。
メンバーが巫女さんだったかな。
それを憑依させてるから、数でいくって言ってたんだよ。
だから・・・
『ああ、まぁこんなもんか』
って思ったのさ。
ちなみに、その時に入った経験値はベースもジョブも5000くらいな。
すっげぇ、眠かったからさ。
意識も途中で飛びかけてたし、メンバーの説明も虚ろな状態で聞いてたから、聞き落としてたんだ。
巫女さん憑依させてるから
経験値が減衰してるよって部分をな。
巫女さんは30だか40だか、レベルが低かったらしい。
それで経験値が減衰してて5000っすか?
軍艦島DDの1Fで、普通にそれくらいもらえてたっすよ?
しかし、眠くてフラフラの俺には、それは分からない。
狩りが終わるまで俺の意識は目覚めたままでいられるのか・・・・
それだけが気がかりだった。
俺が90レベルになるまで、あと30%か・・・・
そんな時だった。
いきなりレベルが上がった。
そのときはメンバーさんが上がったと思ってたんだ。
グダグダの頭で、おめでとうと言おうとしたら・・・・
おめでとうって言われた。
はい?自分のベースが0になっている。
俺がレベル上がったの?
なんで?
慌ててログを見ると、経験値が一桁違う。
30%が一気ですか?!
ここで俺の目が・・・正確には中の人の目が、少し・・・いや、かなり覚めた。
ここで経験値の減衰等の話を聞いて納得したんだ。
巫女さんが何かの攻撃で倒されて憑依が外れたんだな・・・・
それで本来の経験値が流れこんだわけだ。
俺は90になるのが目標だったから、これで十分だった。
これで礼服が着れる、レーザーブレイドも装備できる。
ジョブが上がるまで、やっちゃおう。
そう言われて、言葉に甘えた。
なにしろ、もう少しだったからな。
しかし、気がついたら91レベルになってた。
これで、本当に満足、もういい。
贅沢は言わない。
だが、メンバーさんは言った。
ついでだから92までやっちゃおう。
いや、いくら何でもそれは無理。
興奮状態で、少し覚醒してた意識も、またヤバイ状態になりつつあった。
もう無理だって。
そう言ったがメンバーさんは大丈夫だからと、至って気楽なもんだ。
再び眠気と熾烈な戦いを繰り広げることになる・・・と思っていたのだが・・・・
何なんだ、これは!?
何で、こんなに上がるんだ?!
メンバーの答えはシンプルだった。
氷結だからねぇ・・・・・そうか、そんな一言で片付く常識外れ、それが氷結DDなのか・・・
俺の目は完全に覚めた。
まぁ正確には中の人の目は、なんだが・・・・・
このまま眠らずに、遊び続けることになるのだが強烈な反動が返ってきたのは数時間後だった。
魔王軍のオークションで意識を無くし、目が覚めた頃にはアルマのどころか、オークションが終了していたのだ。
何事も、全ては表裏一体なんだ。
メンバーの支援で俺のレベルが一気に上がった幸運のバランスを取るかのように、オークションで眠るという不運がやってきた。
こんな時に、俺は大人だからな。
自分を納得させる術ってもんを心得てるのさ・・・・・
きっと、あのアルマは酸っぱいブドウなんだ。
そんなもんは、いらねえや!
酸っぱいブドウって、お前はアルマを食うつもりなのか?
つーかよ、それってアレだろ。
イソップ童話か何かで、ブドウを取ることができなかったキツネの負け惜しみじゃないか。
このガキめ、悔しいなら悔しいって言えよ。
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