やっと、イメージがまとまってきたので続きを。今までより少し長く
なっちゃいました。でも時間の流れは相変わらず遅いですwww
タイトルは簡潔に。
一世一代の告白作戦は見事玉砕。
夢にまでみた好きな子からの告白を自らの手で破壊。
一夜明けてふたりの行く末は・・・
はじまりでーす。
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『翌日』
憂鬱・・・。朝、私は目覚ましが鳴る少し前に目を開けた。夕べは殆ど眠れなかったのに。頭の中を色んなコトがグルグル回って気が付けば朝方だった。
「もう・・・なんで私こんなに丈夫なんだろう。今日だけは丈夫に産んでくれたお母さんを恨むわぁ・・・。」
昨日あれから私は傘も差さずに帰宅した。帰宅途中のことは覚えていない。自宅に着いたときには左手にあったはずの赤い傘はなかった。ずぶ濡れの私を見た母は、何があったのかと心配して色々聞いてきたようだが覚えていない。ベッドから出てカーテンを開ける。外は今日も雨が降っていた。
「今日・・・休みたいな・・・。」
カーテンの端をきゅっと握ってつぶやく。空を見上げると、どんよりと重い鉛色の雲が今にも迫ってくるかのように空を覆っていた。ソレを見ながらため息を吐こうとしたとき下腹部の辺りにチクリと痛みが走る。私は部屋のカレンダーに目をやり、さっき吐こうとしたため息より3割増のため息を吐いた。
「もうやだ・・・。サイアク。」
その日、吐き気と腹痛と憂鬱のオマケ付きで私は学校を休んだ。
教室に向かう俺の足はひどく重かった。まるで奴隷が付ける足枷でも付けているかのように。
どんな顔して教室に入ればいいんだ。
どんな顔して ちは に会えばいいんだ。
教室の入り口1メートル手前で俺は立ち止まる。帰りてぇ・・・、今日ほど純粋にサボタージュを考えた瞬間はなかった。
「でも、ソウタとクラスが違うだけマシか・・・。」
ポツリと呟く。
「あ、カケル君おっはよー。どうしたの?教室入らないの?」
不意にかけられた言葉に過剰なまでに反応しビクンと身体が跳ねる。
「ありゃ、驚かせちゃった?ごめんごめん。」
「あ、いや、大丈夫だ。おはようミキ。」
「うんうん、おはようおはよう♪あ、それよりさぁ、ちは見なかった?」
「ちは?」
「うん、今日まだ来てないんだよねぇ。」
「え・・・。マジか。」
「うん。カケル君何か聞いてる?」
「い、いや聞いてない。」
「そっかぁ。さっきメールしたんだけど返事来なくてさー。1限の休み時間に電話でもしてみようかなぁ。」
「・・・・・・」
「カケル君?」
俺はそのまま黙って教室に入っていった。朝のHRで、ちはが体調不良で休むということを担任が話していた。昨日のコトが原因なのだろうか。俺の思考の全てがちはに向けられる。HRが長引き、そのまま1限に突入しなんとなく歯切れの悪い一日のスタートだった。2限目が終わり3限目は選択教科、俺は教室の移動に席を立った。
「ねぇ、次の選択ってカケル君LL教室だよね?私、音楽室だから途中まで一緒に行こ?」
ミキが声をかけてきた。俺は口数少なく、
「あぁ。」
一言だけ返す。
「なんか元気ないねぇ。」
「そうか?」
「うん。」
二人で廊下を歩く。特別教室が並ぶ校舎への渡り廊下に差し掛かったとき、不意にミキが声をかける。
「ねぇ、今日の選択・・・さぼっちゃおうか?」
「は?」
「いいじゃん、どうせ私たち授業違うしバレないって。」
普段、サボるとかそういった事を嫌う彼女が突然そんなことを言うなんて・・・。しかし、俺もこのまま授業に出てもボーっとただ座っているだけになることは明白だった。
「たまには・・・いいかもな。サボるか?」
「そうこなくっちゃ♪たまには息抜きしないとねぇ。んじゃ、部室棟いこ!茶道部の部室いこ!畳あるし!」
「お、おい、鍵は?」
「ふっふっふー♪私、こう見えて茶道部なんですけど?」
「は?初耳なんですけど。」
「ま、幽霊部員ですけど♪ウチほら、家元だから。」
「はぁぁぁ?って、そういえば、ちはがいつか言ってたな・・・ぁ。」
俺は会話の勢いでちはの名前を口に出し、ハッと言葉を止める。
「まぁ、その辺は今度ゆっくりってことで、早く行こ?見つかると面倒だし。」
「あ、あぁ。」
俺たちは初めて授業をサボタージュした。
部室に着くと、持っていた教科書とノートをその辺に置き、畳にゴロンと寝転がる。俺が寝転んだ頭の横にミキが腰を下ろす。そして、
「ちはに電話した。」
「そっか。アイツ風邪か?」
「ううん、アノ日なんだってさー。」
「オマエなぁ、一応オレ男なんだしそういうこと言うなよ。」
「いいじゃん別にぃ。ホントのことだし、自然現象なんだからさー。」
「はぁ・・・ったく。」
「・・・・・・でも、それだけじゃないよ。」
「え?」
俺の身体を包む空気がピンと張り詰める。
「昨日、ちはに告白されたでしょ・・・。」
「・・・・・・。」
「どうして断ったの?」
「おま・・・なんでソレ・・・。」
「いいからっ!なんで断ったのよ?カケル君も好きなんでしょ?なのにどうして?」
「オマエ何でそれ知・・・。」
「答えてっ!」
俺はハンマーで後頭部を殴られたような衝撃が走る。
つづく
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