長かったぁ・・・・><
もうすっかり夏は終わってしまいました・・・。
でも、だからこそ思い出?(くるしいw)
さて、今回はなんと、えめる先生が絵を!絵をー!!
では、アミス学園の日常にまた少しお付き合いくださいませ。
はじまりまーす!
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『思い出準備』
彼女は右手の人差し指で赤いフレームをそっと直すと、
「いつもと違う授業っていうのはぁ・・・・」
「「「「「「「「いうのはぁ・・・?」」」」」」」」
「臨海学校でーす!」
アミス先生の口から出た単語に皆が顔を見合わせる。
「りん・・・かい・・・?」
「がっこう?」
聞きなれない言葉にその場にいる全員がキョトンとしている。すると、大人しく髪を拭かれていたバウが
「せんせー、ぼく知ってるよ!北の森にあるやつだよね!赤い丸いの!・・・でも、こんな暑いときに取れるのかなぁ。」
「アナタばかじゃないの?それはリンゴ。リ・ン・ゴよ。先生が言っておられるのは【りんかいがっこう】。リとンしか合ってないじゃないの。」
「くぅん・・・。違うですか?」
バウは尻尾を下げて、しゅんとする。そこへアミス先生は黒板に何か文字を大きく書いたかと思うと、パンパンと手を叩いて皆の視線を集める。
「はいはい、みんな静かにしてね。臨海学校は、ここに書いた通り『海に臨む学校』という意味です。今日はこれから準備をして、明日から1泊2日でお出かけしまーす。いいですかぁ?」
「はぁい!」
先生の言葉に全員が大きな声で返事する。先生はそのまま小さくコホンと咳払いをすると、
「臨海学校は、海の近くでお勉強することです。海で働く人や海に住む生き物を観察したりして、海とその回りの環境をみんなでしっかりお勉強しましょうね。」
「はぁい!」
「それじゃ、今から準備しまぁす。と、その前に、みんなの水着を用意しないとね。」
「水着?」
またも、皆が聞いたことのない単語が耳に飛び込む。
「水着は、海に入るときに着る服のことよ。みんな服のまま海に入っちゃうと、上がったときに風邪ひいちゃうでしょ?」
「はい!ぼく、わかるー!ぐちょぐちょで重いし冷たいのー!」
シミーズ姿のバウが手を上げて答える。すると隣から、
「先生殿、その水着とやらは一体どんな召し物なのじゃ?」
ローキーも小さく手を上げて質問する。
「そうねぇ、デザインはともかく形的にはサラマンダちゃんが着ているものが一般的だわ。」
その瞬間、全員の視線がサラマンダに注がれる。サラマンダは頬を少し赤らめて
「わ、わたし?!ちょ、ちょっとあんまりジロジロ見んなぁ~!」
「ちょっ!こ、こんなち、小さな布きれしかないのか?!イ、イヤじゃ!わたしは、こ、こんな恥ずかしいモノ着んぞ!ゼッタイじゃぞ!は、裸同然ではないかっ!」
サラマンダ以上に顔を紅くし、少し釣り上がった瞳を大きく見開いて前に座っていたペペンの頭を扇子でバシバシ叩く。
「ふんがふんがふんが・・・ひはい!ひはい!ひはっガブ・・・」
「ひゃ!ひゃ!ひゃ!・・・ひぎぃっ!!!噛んだっ!噛まれましたぁ!ひぃ~ん><」
「はいはいはいはい、ペペンちゃんもシーホースちゃんも遊ばないの♪」
「ふみゅぅ・・・わたくし被害者ですのにぃ。」
シーホースはほんのり桜色の歯形のついた太ももをさすりながら涙ぐむ。ローキーはフンッと鼻を鳴らすと扇子を開いて顔を隠す。先生は小さくため息を吐いて、やれやれといった表情で
「水着は色んなデザインがありますからね?確かにサラマンダちゃんのようなデザインの『ビキニ』っていうのが一般的ですけど、それ以外にも『ワンピース』とか色んな種類があってデザインもとっても可愛いものがいっぱいありますからね。ローキーちゃんも心配しなくていいですよ。それと、Tシャツの中をこっそり確認してるバルルちゃんも大丈夫、きっと似合う可愛いデザインが見つかるわ。」
先生の不意をついた言葉のフリに、
「!!!な、なに言ってるんですか!べ、べつにあたしは確認なんてしてねーですよ。そ、それにあたしはもうブラジャーだって、し、し、してるんですからっ!」
あたふたとしたかと思うと、口を尖らせ頬を少し染めて視線を斜め下へ落とす。
「なに?バルルおねえちゃん、ぶらじゃあってなに?ぼく知らない!見せて!見せて!」
「わっ・・・キャッ!ちょっと、ちょっ・・・やめっ・・・こらっバウ!」
飼い犬に噛まれるという表現が正しいかは別にして、突然のバウの好奇心攻撃に無防備だったバルルはあっという間にパーカーをはだけられ、下に着ていたTシャツを捲り上げられていた。
「おぉ・・・。これがぶらじゃあですか・・・。ぼくの着ているコレよりぴちっとしているのです。これはすごいです。おとなです・・・。」
「こ、これがブラジャー・・・レディの私さえまだ身につけていないのに・・・。ウィリードゥ、これ私も着たらレディに磨きがかかるかしら・・・。」
「ほほぅ、それがぶらじゃあというものか。一族の姫としてわたしも身につけねばな・・・。」
皆の視線がバルルの胸元に集中する。バルルの顔がサラマンダの翼よりも赤く赤く染まり
「も、も、も、も、も、もういい加減にしやがれですよーーーーー!!」
「「「きゃあ!」」」
うがーっと両手を広げて皆を振り払い、ものすごいスピードで服を直す。オレンジ色のシッポを最大限に膨らませ、涙目でフーッフーッと威嚇する。
「はいはい、先生の話が進まないから大人しくしてねぇ♪っと、ちなみに今のバルルちゃんが着けてるのは『スポーツブラ』っていう種類ね♪」
「せ、先生っ!そんな説明はいらねーですっ!!」
先生の説明にほぅほぅと頷き、それぞれ自分の胸元に視線を落とす。しかし・・・
「ぺぺん、バルルちゃんよりもシホちゃんの・・・」
「あーあーあーあーあーあーあーあーあーあー!」
「それじゃ、もう先生説明するのめんどくさくなってきたので、さっそく作りましょう!街に出てでもいいけど、万が一もとの姿に戻っちゃうとみんなびっくりしちゃうから、今日は学校に裁縫おばさんに来てもらいますね♪」
「はーい♪」
先生はWisモバイルを取り出すと、ちょこちょこっと操作する。そして数分後、学校に元気なおばさんが両手に大きな袋を4つ、後ろにミシンを持ったタイニーを従えてやってきた。学校に到着するなり、その瞳を輝かせ
「んまぁ!こんな可愛らしい子たちの水着を作れるのかい?確かにこんな可愛い子たちがウチの店に来たらそれこそ大騒ぎだよ。これはアタシも気合いれて作んないとねぇ!」
おばさんは、ドスンと袋を地面に落とすと腕まくりをする。
「それで・・・この子たちは・・・」
「あぁ、わかってるよ。ウチはキレイになってくれる子には平等だよ!それがエミルであれドミニオンであれそしてモンスターであれ・・・ね☆」
「ありがとうございます。」
「いいよ。アタシもこんな可愛い子たちの水着を作れるんだからね♪それじゃ、まずはみんなのサイズを測らせておくれ。」
大きな袋からメジャーを取り出すと、みんなの前に立ち
「はい、それじゃアタシがみんなに可愛いピッタリの水着作ってあげるから、ここに一列にならんでちょうだい♪」
「「「「「「「はーい!」」」」」」」」
「それじゃ、おばさんに可愛い水着を作ってもらいましょうね。みんな?人にお願いするときは何ていうのかなぁ?」
先生の言葉に全員が満面の笑顔で、そして今日イチバンの元気な声で
「よろしくおねがいしまぁす!」
こうして、臨海学校の準備が始まった。
To be continue
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