ホラキ「……ようやくか。長かったな」
杏「ようやくってなにが?」
茜「ようやくマシンナリーに転職できたってこと。つまりアレよね」
ホラキ「あぁ、アレだ」
杏「えっ、アレって何?わかるように話してよぅ」
ホラキ「そうだな、ならば今ここに宣言しよう。
今からマシンナリーの魂、2足歩行ロボの作成を始める!!」
~
ホラキ「というわけでこれがあらかじめ買っておいた2足歩行ロボだ」
杏「えぇ~、作るんじゃなかったの~?」
ホラキ「より正確には2足歩行ロボ用強化外装の製作だな。というかわざわざ貴重なアイテムを使ってまで一般販売品を作る理由はないしな」
茜「それで?必要な材料は後どれだけなのよ?」
ホラキ「ああ、具体的にはロボットアーム、ロボットボディ、ロボット操縦装置があと一つずつだ」
茜「少なっ!」
杏「それじゃあパパっとできちゃうね」
ホラキ「そうとは限らんぞ。ロボットレッグ以外の各パーツはドロップ率が低い。特にロボットアームとロボット操縦装置は出にくいとの話だ」
杏「え、そうなの?」
ホラキ「幸いにも、ロボットアームのうち1つは安価で購入できたし操縦装置は露店売りも一応ある。長期間狩り続ける必要はないだろう」
茜「だったらさっさと行くわよ!」
杏「しゅっぱ~つ」
~光の塔下層、飛空庭発着場
杏「疲れた~」
茜「アームもボディも1時間ぐらいで手に入ったのはいいけど操縦装置は2時間以上狩ってるのに出てこないわね」
ホラキ「むぅ、目測を誤ったか」
茜「どうするのよ?おとなしく露店で買うの?」
ホラキ「しかし3Mの出費か……。あまり無駄遣いはしたくないのだが」
杏「でももうキャパ限界だよ。狩り続けるにしても一度戻らないと」
ホラキ「だが戻ると飛空庭代が……」
茜「なんというかケチくさいわよホラキ」
セヴンス「……おっと誰かと思えば、こんなところで何してるですかホラキ姉さま」
ホラキ「ん、セヴンスか?そういうお前は、……あぁ運搬クエか」
セヴンス「その通りです。運搬クエができなくなった姉さま達の財布を支えるために地道に塔を登ってるですよ。で、こんなところで何してるですか?」
杏「ロボットのパーツを集めてたんだけど最後の一つが全然でないんだよぅ」
茜「で、荷物もいっぱいになったしおとなしく帰るかどうか相談してたわけ」
セヴンス「ふむふむなるほどです。ならば邪魔な荷物は私に預ければいいです。な~に、そこの物陰においとけば誰にも気づかれずに私が拾っておくですよ」
ホラキ「ならばお言葉に甘えて……と。よし、もう少し狩りを続行するぞ」
杏「よ~し、頑張るぞ~」
セヴンス「……ところでどうして3階に降りようとするですか?操縦装置ならA-6のほうが狭いし楽だと思うですが」
ホラキ「いや、3階ならドロップモンスターが2種類いるだろ?」
セヴンス「A-6にも2種類いたですよ。さっき通った時に見かけたから間違いなしです」
ホラキ「……なんだと!wikiのモンスター一覧のページにはハウンドR1の出現範囲にA-6は含まれてなかったぞ!?」
茜「ようするに記述漏れね」
セヴンス「ふっ、wikiを鵜呑みにするとはホラキ姉さまもまだまだなのですよ」
ホラキ「……くっ、不覚」
~1時間後
ホラキ「……まぁ、色々あったがそれはおいとくとしてだ」
杏(ドキドキ)
ホラキ「ついに強化型2足歩行ロボ『火水』の完成だ!!」
杏「カッコイイ!!」
茜「火水!?」
ホラキ「ちなみに『火水』は『ヒスイ』と読む。さて勘違いされがちだがタタラベにとって水は火に並んで重要な要素であってだな……」
茜「いや、詳しく説明しなくてもいいから」
ホラキ「……。まぁ私の中に宿るサラマンドラ、『スイ』の名と炎をこの機体の名として刻むことにしたのだ」
杏「ホラキお姉ちゃんカッコイイ……」
茜「……まぁ、ホラキにしてはいい名前じゃないの。
……完成オメデト」
ホラキ「ああ、これで私の最初の目的は達成できたわけだ。いつになるかはわからんが次はフルカンストを目指すとしよう」
茜「その前に転生でしょ」
ホラキ「あぁ、そうだな」